『愛していると云ってくれ』愛していると云ってくれ


愛していると云ってくれ

午前5時30分起床。浅草はくもり。15年以上も手付かずだったCDを出してみる。ケースにして5箱。結構あるが、懐かしい「音楽」が出てくる。そんな中、中島みゆきの『愛していると云ってくれ』があたしの手を止めた。古いものをかたづけている時に良くあることだ。CDプレイヤーを出していみる。

懐かしい。このCDは1990年のクレジットがあるが、CDを買う前にはLPを持っていた。そのLPは(たぶん)実家にしまってあるはずなのだが、もう30年はあってはいない。今はどうなっていることやら。

このアルバムの歌は全部暗い。真っ黒だ。どうしようも無い位に暗い。明るい歌をひたすら聴いていた時代に(大学生の頃だ)、なぜこの暗いアルバムを購入したのかは、今は定かではないが、それを15年ぶりに聴いてみたのだ。初めてこのアルバムに会って、40年程の年が過ぎた。いったい、中島みゆきは何歳なんだ、という素朴な疑問が沸いてくる。

あたしはラストを飾る『世情』という曲か好きだった。全く意味が分からない歌詞を聴いていると、男声コーラスが怒濤のように攻め寄せてくる。まだ白黒テレビがあった部屋で、ステレオセットで、畳に寝そべって聴いていたものだ。

この曲、今聴いてもなんだか良くわからない。そのなんだかわらないものを、今聴いて思い出した。そう、20歳そこそこの自分と同じ自分がいることに。情報(CD)は変わらない。人間も変わらないものなのか、と思う。