デリーカレーとチキンバリカレー
午前7時15分起床。浅草は晴れ。この日は湯島に行っていた。行列のできる店「デリー上野店」でカレーを食べようと思ったのだ。カレーを食べる、「糖質制限食」を続けているあたしにとっては、あってはならないことだ。しかし、今日は「デリー上野店」でカレーを食べると心に決めた。
思い起こせばこの10年、あんなに好きだったカレーが、あたしの食卓から減ったのだ。それはしょうもない(糖尿病なのだ)ことだけど、あたしの心の中にはいつもカレーがあった。だから「ゆで太郎」でも、「松屋」でも、「ニューラホール」でも、思いだしたようにカレーを頼む。
罪滅ぼしのように、ご飯は少しだけしか食べないようにして。
カレーは子供の頃から食べている不思議な料理だ。日本で生まれたものではないが、今はすっかり日本のものとなった。ある意味あたしの郷愁の味でもあるが、その味は全く地に左右されることはない。だから「パトリ」とも呼べない。でも、やはり母がつくったものが脳裏に浮かぶ。
しかし、今日のカレーは母のカレーではない。母のカレーと謂わば対極のカレーだ。そのカレーを目的に「デリー上野店」に食べに行く。今日は食べてやるぞ、と思うこと自体がなにか面白い(まあ、極端な話、命がけなのだが(笑))。
「デリー上野店」はいつも行列を造っている。でも、あたしらが行った時にはまだ3組ほどの行列だった。あたしは「ラッキー」と心の中で叫び列に並んだ。直ぐ前の人からメニューが流れてきて、さて何を食べようかなのである。でも(あたしは)メニューを見るまでもなく決めていたのだ。
「デリーカレー」を頼もうと思った。家人は「チキンバリカレー」なのである。
やがて中に入り、そして暫くして注文の品が揃った。さあ食べよう。「デリーカレー」はまるで札幌の「スープカレー」のようにサラサラだ。チキンがメインのシンプルなカレーだ。けれども基底はインドのスパイスである。「スープカレー」がラーメンスープのようなものであることを考えると全く違う。
けれど、あたしはこのカレーを「スープカレー風」に食べた。すなわちご飯をスプーンで掬って、それをカレーに付けて食べるのだった。そうして食べると、いや、うまいのだ。複雑なカレースパイスの味がする。しばらく経ったらまた来ようと思った。
デリー上野店
東京都文京区湯島三丁目42-2