薬味そば薬味そば


温かいそばはまずい

午前4時起床。浅草は晴れ。この日も「ゆで太郎本所吾妻橋店」に出掛けたのだ。相変わらず寒い日だったけれど、今日は「冷たいそば」を食ってやるぞと意気込んでいた。なぜなら、ここ「ゆで太郎」では。温かいそばはまずいのである(笑)。それは、前回「ゲソのかきあげそば」の温かいものを食べた時に決定的になった。

作られたその時から、蕎麦が熱に負けてしまっているのである。その原因は麺の茹で過ぎにある(たぶん)。冷たく〆る「もり」ならば丁度いい蕎麦の具合が、温かい蕎麦になると茹で過ぎだと感じるのだ。また細すぎる蕎麦にも一因があると思う。これを今更改善しろ、と云っても、「ゆで太郎」のようなチェーン店では無理な話である。

となれば、冷たい蕎麦を食べればいいのある(笑)。しかし、この寒い季節に、と云われそうだが、全くその通りなのだ(笑)。あたしはこの日は一番うまいものを食おうと思っていた、その一番うまいものとは「薬味そば」なのである。自販機で「薬味そば」の食券を買うと、カウンターのおにいさんへ渡した。

薬味そば

しばらくして「薬味そば」が出来上がる。いや、あの熱に負けた蕎麦が、ここではちゃんと生きている。熱に弱い蕎麦なんて本当に不思議だ。その上を飾る数々のトッピングが見事だ。そのトッピングが絶妙に混ざり合う。「薬味そば」がうまい、と云われている秘密は明確で、それは冷やすことによる麺の適度な硬さにある。

そして、数多くのトッピングが混ざり合うことで生まれる絶妙感だ。この「薬味そば」は全てが絶妙なのである。蕎麦の茹で具合、トッピングの絶妙さ、そして、茄子と揚げ玉がつくる、これまた絶妙なあぶら感ではなかろうか。整然と並ぶ具材を掻き混ぜるその時に、揚げた「茄子」と「天かす」の油が全体に広がるのだ。

この絶妙さは計算してできたものだろうか、それとも偶然の産物なのだろうか。この抜群な組み合わせを発見した時の開発者の気持ちを思うだけで、この蕎麦が旨い、と何度でも云いたくなる。例え、温かくした蕎麦をまずいと幾ら云おうとも。こいつは間違いなく一番うまい蕎麦なのだ。[お蕎麦deランチ]

薬味そば

ゆで太郎本所吾妻橋店
東京都墨田区吾妻橋3丁目7-4