宮崎地区建設業協会、宮崎県産業廃棄物協会共催講演会「Web2.0とホームページの必要性」での講演用PPTを公開したのでご自由にお使いください。
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何人もその家卑の前では英雄足りえず
講演内容は、先のモラロジー建設部会での講演用PPTの解説|1|2|3|4| に準じている。
ただ今回の講演での強調は、先にも書いたように、「何人もその家卑の前では英雄足りえず。」なのである。
その環境を作り出しているのはITの技術ではあるが、それに逆らおうとしてインターネットを拒絶してもなんの意味もない。
(これは講演では直接は触れなかったが)なぜなら私達はインターネットを意識的に使わなくても、あらゆる場面でその便利さを享受してしまっているからだ。(もう手遅れなのである)。
例えば皆さんの大好きな携帯電話には、様々な付加価値――例えば、位置情報、Suicaや電子マネーまで――がついている。それを使うとき、個人情報は何処まで保護されているのだろうか、と考えてみればよい。
これは例えば、Suicaによって駅の改札業務は楽になっ
たけれども、ある方々は、キセル する〈自由〉を失った、というこ と。例えば、独禁法や、談合防止 法によって、談合する〈自由〉を 失った方々もいる、ということに 似ている。 しかしいくらそのような〈自由〉
を主張したところで、「それは法 律違反だ」といわれるだけだろう 。法律は、われわれ人間が外部に つくった、互恵的利他性の(仲良 く暮らすための)装置のようなも のであるが、それは必ず失うもの をつくる。 その多くは個人の利己的な〈自由
〉であるが故に、かつてその利己 性を封じ込めてきた共同体性の破 壊に収斂してしまう。 (ZIPPOが機内持ち込みできなかったこと。若しくは、失われる〈自由〉について。)
この変化の先に私達は自由を如何に確保できるのだろうか
ブログでさえ、匿名性としての自由をやがて失うだろう、と(私は)考えている。そんな変化の先に、私達は如何に自由を確保できるのだろうか。
この命題を前に、私は変化に逆らうことはしない。やろうとしているのは、何時ものように次の戦略でしかない。
とりあえずはこの巨大な動きの中で流れて、それ以上のスピードで流れていくことで独自性を保っていくことが一つの方法になるかもしれない。(川俣正:『アートレス―マイノリティとしての現代美術
』:p45)
目的/目標の差異の理解
ただこの戦略は、大きな流れに流されるよりも、個人に大きな負荷をかけることになることで困難でもある。なぜなら、この大きな流れの中で独自性を保つには、理念(哲学)と目的をもって情報を発信し続けるしかないからだ。
だから課題は、では我々は如何にして、我々公共事業に従事する者が、良き市民として、雇用を確保し、地場経済の活性化に寄与しているのかを、公共事業の顧客に伝える、というこでしかない。
それは二クラス・ルーマン流にいえば、情報を発信するすることでしかない、ことで、ブログは有効な手段になりえる、と(私は)考えている。
組織としてのブログは多分経営者しか書けないけれども…
しかしそのブログも、組織(企業・協会)としてのものなら、書けるのは経営者だけだろう。もし、全ての社員(会員)が、経営者と同じ目的/目標の差異の理解をもってブログを書けるのであれば、それはとてつもない贈与共同体(例えばGoogle)になる――だから社員レベルでの「考えるIT化」の必要性を私は強調してきた。
考えているなら、まずやってみることだ
さらにいえば、インターネットは思考実験の場であることで、考えているよりも、やってみること、実践してみること、が大切だ、ということだ。
僕は、ひとことで言うと、特定の技術が特定の思想を体現することがあると考えています。技術は価値観に対して中立だと考える人もいると思いますが、僕はそう考えない。とくに、情報技術は、特定の社会観や価値観――それを「カリフォルニア・イデオロギー」と呼ぶにしろ「未来学」と呼ぶにしろ「ハッカー倫理」と呼ぶにしろ――のとても強い影響を帯びている。しかも情報技術がおもしろいところは、いままで思考実験だったものをすごく世俗的なかたちで露呈させてくれるところです。(東浩紀:『波状言論S改』:
p335-336)
そしてその思考実験がうまくいかなくとも、ブログはダメだと切り捨てないで、何故うまくいかないのか、と考えてみることだ。
考えてみることで、そこには、経営の、そして経営だけはなく自分自身の存在することの習慣を見直すための、様々な要因を見ることができるだろう。ここではドラッカーの言葉を引用しておこう。
企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。(P・F・ドラッカー)
こんなことを言っても、建設業界には諦めに似たミームが蔓延していることも事実だ。だからこしあえて、そして久しぶりに、このフレーズ(改)を使おう。
(もう遅いかもしれないけれども)動き出してね、えぶりばでぃ! w