小沢理容店小沢理容店


小沢理容店

午前5時30分起床。浅草はくもり。一昨日鐘ヶ淵に頭を刈りに行ってきた。それが小沢理容店といい、写真のようなレトロを越えたレジェンドな店である。

あたしは脳梗塞のリハビリで、鐘ヶ淵東京リハビリテーション病院に通っている折、いつもここの前を通っていた。まあ、鐘ヶ淵を覚えたのはそのせいではあるけれど、そんな中、散髪にこの店を使い、その時以来づっと続いているのだ。

床屋というものは、一度固定してしまえば、後は店が無くなるまでいくぞ、というものであるが、なんでこの店に、と云われてもあたしは何故かはわからない。ただ当時通っていた浅草3丁目の店が閉まってしまい、あたしの中で新しい店を探していたのは確かである。

この店、最初の一歩が肝心なのだ。結界があるからそう簡単には入れない(それは浅草の店と同じである)。しかし一度入ったら(あたしの場合)もう駄目なのだった。あらゆるものが古臭く、もうレトロ処ではないのだ。

その上おやじの腕は立つ。その一点のみにずっとあたしは惹かれ通い続けているのだ。いわばレジェンドである。

一昨日もあたしの前には二人の客がいたが(あたしの後にもあと二人いたのだ。どれだけ流行っているのか、という話なのだがそれは置いておく)、このおやじ、一人あたり1時間強の時間をかけける。そのかけ方がものの見事にみな同じなのである。凄いな、と思う。

けれど入り口の引き戸は一度開くと閉まらずに、バールを持ったおやじがあらわれちゃんと閉めるところなども、あたしが初めて行った頃と変わらず、いったい何時まで同じ事をやっているのだろう、と思うのである。