建設業の人材確保・育成について
午前6時10分起床。盛岡は晴れ。昨日は一般社団法人 岩手県建設業会で「建設業の経営環境に関するシンポジウム」が行われ、いつもお世話になっている(株)北海道建設新聞社の荒木社長による講演があった。
講演の議題は「建設業の人災確保・育成について」であり、あたしは今年の新年会以来の荒木節を堪能させてもらったのである。
荒木さんは新年会の時にはまだ社長にはなっておらず、社長としての荒木さんを見るのは初めてだった。頭に若干白いものがちらほらしていたが、しかし凛とした立ち姿は、「よっ!荒木社長!」と声をかけたくなる。
建設業の人出不足の問題は難しい。小泉構造改革がその根元にある、というのは我が意を得たりである。そのあとにやってきたアベノミクスによる公共事業の拡大傾向において人出不足感が著しくなってきたものだが、その環境においては、雇用と育成が企業のコアコンピタンスになるだろう。ただ、荒木さんは最後にこうまとめるのだ。
- 人材確保・定着の特効薬はない。
- 女性、高齢者、外国人の積極活用は無駄とは言わないが根本的な解決策にはならない。
- 軽営者が若者の一生を背負う気概を持つ。
- 机に座って仕事をするよりも、身体を動かすことのほうが性に合っている、という若者は少なくない。その人たちに、いかに「やりがい」や「魅力」を伝えるか。
- 「親の近くで暮らしたい」という若者の心をつかめ。建設業は「子宝産業」でもある!
- 業界の若手に思い切って任せる。若者たちは、年齢の近い人間の言葉に、心を動かす。
- これらを「協会」が中心になって行う。
難しいお題だが、そうなのだろう、と思う。北海道の工業高校の土木科の人気が高まっている、という。地場の建設業に大卒が来ない。なので高卒を採用しているのがその原因だという。建設二世会が子供たち向けに色々と伝えてる活動をしている。キーワードは「共感力」「いいね!」である、という。こういう活動を今後も続ける必要があるだろう。
建設業を知ってもらう、というのは難しい。どうしても建設業じゃなきゃダメだ、という人がいる。ネクタイをしたくない、という人がいる。そういう人を1人でも2人でも増やしていくことでしか地場型建設業のコアコンピタンスは保障されないだろう、とあたしは思うのだ。