ロースかつロースかつ


とんかつゆたか

午前5時10分起床。浅草は雨。これは日曜日のランチで、いつもの4人は、浅草二丁目の「米久」の前を通り、浅草一丁目の「とんかつ ゆたか」まで歩いたのだ。本当は「米久」にしようと思っていたが、それはあたしの財布が許さなかった。まず1人前で諭吉の半分は飛んで行く。

それで肉皿3つお代わりするだけでまた諭吉が飛んでゆくのだ。とてもランチの値段ではない。それを昔の感覚で「米久にしよう!」などと云っていたあたしが悪かった。かつてに比べりゃ、収入は半分もないのだよ、と自分の財布に声を掛ける。そして「とんかつゆたか」に決めたのだ。

しかし、「とんかつゆたか」もちょいとその辺の「とんかつや」とは違ってる。もちろん値段がである。「ロースかつ定食」は英世2枚じゃ食えない。あたしが食べる「かつカレー」の3倍もするのだ。しかし、ここで怯んではいけない。今日は年に2度のハレの日だ。みんなには定食を、あたしは単品の「ロースかつ」を頼みビールを呑んだ。

いや、この「ローズかつ」はうまい。

これが浅草のとんかつである、と熟々と思う。「ロースかつ」は最初ウスターソースで食べた。そして次に藻塩で食べた。この藻塩が最高のうまい。 つまりウスターソースはいらないとさえ思った。ロースの持つ溶けそうで溶けない脂部分が、それこそ「ロースかつ」最高の味になって攻めてくるのだ。

脂とは云え、決して胃もたれしない。正に「軽やかな味」。お客は年輩の人が圧倒的の多いのも分かる。いや、良い処に決めたなと浅草に住んでいながら思う。すなわちここは、ちょっと特別なランチの場所なのだ。[浅草グルメ]

ヒレかつ

とんかつ ゆたか
東京都台東区浅草1丁目15-9