丸干しいも丸干しいも


丸干しいも

午前4時10分起床。浅草は晴れ。土曜日の朝、それは突然にやってきた。ピンポーンと呼び出し音がして、モニターに黒ネコのお兄さんの顔が写る。「お届け物デース」、という脳天気な声。なんだ今頃?と思う。家人が妙に気をもんで「何か頼んでいたものはないの?」と聞いてくる。

アディダスのスニーカーならあるが、なんだろうな?、とあたしも相打ちをする。もう一度ピンポンが鳴り「玄関へ置いていってください」とコロナが流行ってからお馴染みになったフレーズを云う。玄関先に置かれていたのは水戸の「長谷川さん」からの「贈与」の品だった。

「贈与」の品は良いのだが中身が問題だった。それは送り状に書いてあった。「丸干しいも(紅はるか)」だ。日がさしたようにあたしの周りが明るくなるのがわかる(笑)。そうだよ、これだよ、長谷川さんありがとう、と意味の分からないあたしの声。包みをあげると綺麗に並べられた「丸干しいも」が姿を現す。

正に黄金の衣に包まれた逸品

きれいだ、と思った。いもの素肌が透けるように美しい。「紅はるか」の製品になってからか、いや「(株)テルズ」という会社のものになってからか、かつての灰色ががった「丸干しいも」のイメージがなくなってしまった。正に黄金の衣に包まれた逸品となっている。しかし味はと云えば、灰色ががったいもの野生味を帯びたような味も懐かしい。

早速1個だけもらって食べてみることにする。その味はあたしの経験を優に超えていた。確かに甘いのだが、その甘さが複雑性に溢れている。真っ黒くろすけならぬ黄金の様々な甘みの精が飛び回っている。いや、この「干しいも」の生産だけに特化した農業生産法人「(株)テルズ」、茨城県もやるものなのだわ。

丸干しいも

株式会社テルズ
茨城県那珂郡東海村白方285