制限付き一般競争入札批判

ここではまず、「松阪市の制限付き一般競争入札制度導入による落札率調査表」(表3)を見てください。(出展:http://www.city.matsusaka.mie.jp/

[表3]松阪市の制限付き一般競争入札制度導入による落札率調査表
[表3]松阪市の制限付き一般競争入札制度導入による落札率調査表(一部抜粋)


この表は、平成14年 4月18日から平成14年 7月25日までに行われた松阪市での入札から、最低制限価格が設けられており、かつ業務委託工事以外の 109件をピックアップしたものです。この表での平均落札率は85.51%となっていますが、この落札率の平準化は、予定価格の85%という最低制限価格が設けられているためであることは容易に理解できるでしょう。

このように、ほとんどが予定価格付近での落札となることは、なにもこの松阪市の事例に限った現象ではなく、設計価格の事前公表+最低制限価格付きの「制限付き一般競争入札制度」においては共通する特徴といえるものです。このことは、このような「制限付き一般競争入札制度」が、実は「指値方式」あることを自ら証明しているだけに過ぎません。

この制度では、設計価格があらかじめ公表されていますから、入札者は、積算もせずに最低制限価格を予想して金額を入れて応札するだけです。つまり、この制度では、落札できるのは運まかせであり、落札のことを「当たった」という表現をしているようですが、それも納得のできるものでしょう。

それでは、なぜ「マーケット・メカニズム」を導入しているにもかかわらず、予定価格の85%という最低制限価格が設けなくてはならないのでしょうか。