曙湯

曙湯 午前6時起床。浅草は小雨。昨夕は、曙湯へいった。久しぶりだったのだが、入浴料は、値上がりしていて大人430円に。それから6月1日からは禁煙になっていた。

私は一風呂浴びたあとの一服が楽しみだったのだが、 銭湯がなくなったわけではない。 銭湯が生き残るためにそれが必要なら、煙草ぐらいいくらでも我慢しよう。今や銭湯は、存在するだけで"儲けモノ"なのだ。


花やしきのそばにあった、超高温銭湯「ひさご湯」さんは、今月15日で店を閉めてしまった――今は駐車場になっている――。寂しいものだ。

銭湯哲学

曙湯の脱衣所の天井

写真は曙湯の脱衣場の天井である。私はこの造りが大好きだ。  

銭湯は明治の初期までは混浴だったらしいのだが、外圧で男女別々になったと聞いている。キリスト教的倫理観からすれば、混浴なんていうのは近代化の遅れた野蛮人のすることだ、ということなのだろうが、余計なお世話だった。

近代化ヒステリーに病んでいた明治政府が、その申し出を採用してしまったおかげで、銭湯の素晴らしさは半減してしまた。混浴が続いていれば、日本は、最後の帝国主義国家にならずにすんだかもしれない。銭湯の素晴らしさは、ご近所が裸でつきあう、ご近所でなくとも裸でつきあう、それにつきる。

浪曲銭湯道頓堀

それは、映画『水の女』で、松島一夫が渋く唸る「浪曲銭湯道頓堀」の銭湯哲学の通りである。

あ~ 清めよ 流し合おう

銭湯すたれば仁義がすたる 仁義がすたれば銭湯すたる
銭湯すたれば人情すたる 人情すたれば銭湯すたる

社長も乞食も坊さんも
ヤクザもジジイも赤んぼも
ここではみんなおんなじよ
たんなる一個の汚れたからだ 何にも変わりはありません

はだかとはだかの触れ合いで 人の痛みがよく分かる
皆が回りを思いやり いつも仲良くこれたのは これ!学校や法律のおかげではない

なぜならば 学校が教えてくれるんは知識だけ 人生は教えてくれへん
法律が教えてくれるんは そりゃ常識だけじゃ

さすりゃ銭湯は人生を学ぶ最高の道場
銭湯は 銭湯は ここのことじゃぁ! 人生を学ぶ最高の道場やぁ~

清めよ 流し合おう

銭湯すたれば仁義がすたる 仁義がすたれば銭湯すたる
銭湯すたれば人情すたる 人情すたれば銭湯すたる

水の女

水の女

監督: 杉森秀則
出演: UA/浅野忠信
2003年5月23日
東北新社
4935円(税込)

曙湯(あけぼのゆ)
台東区浅草4-17-1
03-3873-6750 
 曙湯
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