特上鉄板やきかつ定食
10月7日、予定より1時間遅れで宮崎から戻り、遅めのランチは浅草松屋裏の桃タローへ。
特上鉄板やきかつ定食、1365円円也を注文。客の9割方はこれを食べた。
このメニューのときは、給仕のおばさんが、ミルクピッチャーに入ったソースをかけてくれる。 なので、客は鉄板の下にナプキンの一方をはさみ入れ、残りの一方の端を両手で持って、ソースがはじけるのを防御するという儀式が付く。つまりこの儀式込みの値段が1365円なのである。
やきかつ
やきかつというのは、フライパンで焼かれたとんかつのようなもので、それはカラットした食感ではなく、しっとりと"ふにゃふにゃ系"になる。肉はかなり柔らかく箸で切れる、年寄りの客が多いのもうなずける。(というか、浅草は何処へいっても年寄りしかいないのだけれども)。
緊張と緩和
この店のレトロな店内にはBGMは無く、時々東武鉄道のがたんごとんが聞こえるぐらいで、とにかく静に飯を食うのである。かといってその空間は緊張しているのではなく、緊張と緩和を繰り返している。
その緩和の素が、店内中央に置かれた大きな木彫りの熊である。何故にここに熊が居なくてはならないのかを考えだすと、ここで飯を食っている自分自身もなんだかよくわからなくなるので、考えないようにしなくてはならない。
ただ熊は居るのであり、ただ(私は)飯を食うのである。そんなもので、桃タローの店内は、理論を超えた不思議な強度を持ってしまっている。
それは凡人的思考を破壊してくれるのだが、お勘定をするときに見える厨房のステンレスは、当然のようにピカピカであり、この店の良心(いい店であること)を物語っていて、なにかほっとする。
元祖やきかつ 桃タロー (とんかつ / 浅草)
★★★★☆ 4.0
台東区花川戸1-9-1
03-3841-0735
[浅草グルメマップ]