7月25日北上での講演資料(裏浅草グルメマップは防災協定マップである)

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7月25日、北上での講演資料をアップしたので自由に使ってください。

Microsoft Powerpointファイル(ZIP形式圧縮)
   http://www.momoti.com/data/BD060725.zip

PDFファイル
  http://www.momoti.com/data/BD060725.pdf

内容は「7月13日盛岡での講演資料」に順じていまるけれど細部には当然修正を加えている。 以下は外観的な解説なり。

今回は「裏浅草グルメマップは防災協定マップである」を例に、キアスム転換について説明をしている。

OSの書換え

当サイトの浅草グルメマップ(試作)は、じつは防災協定マップにすぐに転用可能なのよ、ということであり、それが(昨年ではなく今になって)可能なのは、Web2.0ミームの(具体的には無償で提供されているGoogle Maps API の)賜物であるということだ。

Web2.0 ミームが、無邪気な「中景」の破壊者のかおを持つことは否定しない。それは神話のアルゴリズムでいえば、公共事業というギャオスにとってのガメラのようなものである。

Fx(a):Fy(b)~Fx(b):Fa-1(y)

そして重要な認識は、このアルゴリズムは既に機能してしまったということだ。詳しく説明しよう。

a=公共事業という産業
x=公共事業という産業の機能

とする。
つまり、Fx(a)は、公共事業という産業が機能している状態である。
そこにWeb2.0 ミームが、Fy(b)として機能することで、結果的にFa-1(y)となる。

b=Web2.0ミーム=カルフォルニアン・イデオロギー
y=Web2.0ミーム=カルフォルニアン・イデオロギーの機能

つまり、Fy(b)は、Web2.0ミームが機能している状態であるが、そのことによってFa-1(y)は起きている。それは a-1という記述のとおり公共事業という産業(a)は機能しない(必要とされていない)ということであり、 つまりわれわれはひねられてしまったってことだ――この変化は、公共事業という産業が望んだものではないでしょう?――。

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つまりいまのFx(a)とは、公共事業が幅を利かせてきた時代ではなく、公共事業という産業が必要とされていない状態、つまりWeb2.0ミーム=カルフォルニアン・イデオロギー=リバタリアニズムがOS化した状態である

それは、公共事業という産業の大方の期待には反するだろうが、OSの書換えは既に行われてしまったということだ――この認識からしか次の意味ある行動は生まれないのだけれども、これも理解できない方々が多すぎたわけだ――。

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われわれの行うIT化はキアスム的なひねりを必要とする

この理解があれば、われわれ(公共事業という産業)の行うI実行が、キアスム的なもの(要ひねり)である必要がわかるかと思う。

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公共事業という産業は、一度ガメラ(Web2.0ミーム)に排除された(ひねられた)ギャオスなのである。そのギャオスが、ガメラ(Web2.0ミーム)の機能する世界で生きようとするならば、ガメラ(Web2.0ミーム)を排除するか、ガメラ(Web2.0ミーム)と共存する道を選ぶしかない。

勿論、選択は共存しかないだろう。Web2.0ミームの排除は、よほどのことが起きない限り不可能だ。それは、Web2.0ミームが、われわれの経済活動と深く結びついてしまているからだが、今回はそれには触れない。

ひねるのはわれわれである

私は、この共存の仕方を「考える技術」的に、象徴の一部否定とか、否定的受容と呼ぶ。つまりわれわれ側のガメラ=トリックスター=b とはなにものなのかを考えなくてはならないわけだが、その答えは意外と簡単で、それはわれわれ自身でしかないということだろう。

われわれは、先にひねられたことを忘れてはならない。それは公共事業という産業が考えない人々でしかなかったことが一番の要因だと(私は)思う。だからこそ、今度のひねりはわれわれ自身が行うものでなくてはならない。

そのためには、「象徴の一部否定」が必要なのである。それは「とりあえずは、大きな流れで流れて、さらに速く流れることで独自性を保つ」ことだ。では一部否定する象徴とはなんだろう。

それはWeb2.0ミームである。それをリバタリアニズムとも、西欧的な合理性と呼んでもかまわない。私はWeb2.0ミームを手放しで歓迎したりはしない。しかし受け入れるのである。否定的受容である。

それが可能なら――勿論、私は可能だと信じている――、その破壊者(Web2.0 meme)も、われわれに取り込むことで、われわれの創造性ひねり)の要因とすることができるだろう。

その実例が、「浅草グルメマップ(試作)はじつは「防災協定マップでる」なのである。

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師匠、こんばんは。

現況を捉え、レンズでひねり、将来に像に結ぶ。
実行(時間)が焦点距離。

私のレンズは、アイマスク。
http://www.pinhole-eyemask.jp/


まえゆきさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
キアスムの凸レンズへの例えは、おもしろいですね。
アイマスクは効きますか?

はじめまして。北上の小田島と申します。
先生の名前は有名で(うちの地域、業界)一度お話を聞きたいと思いましたが、残念でした。私も出張中でしたので、次の機会を楽しみにしています。

アイマスクの孔は、例えばこのコメントを書くという行為のように、私が外界に繋がっている様を象徴しているように感じましたので「私のレンズはアイマスク」と書きました。
私ができる(している)ことは、私の孔を通して、外を眺め、覘き、発言し、考えることだと思っています。
現状を捉えたとき、どのように「ひねる」のか、その技術はわからないけれど、その手段として私は、アイマスクの孔を持っているのではないか、そう考えています。
ですから、「効いていますか?」の質問は、私にとってはとても深いものでした。(あんなこと書かなきゃよかった(笑))
私には、「効いています」、「効いてくるでしょう」と、答えさせていただきます。屈折異常を認識しつつ。