河北や
午前5時起床。浅草はくもり。「河北や」はうちの息子の学校の近くにある店で、この日は仕事で神田錦町にいたので
土曜日ということもあり店は空いていた。あたしは「肉そばW(肉の大盛)」を頼み暫く椅子に座って待ていたのだ。最近「立ち食い蕎麦」ばかり食べているので、その待っている時間がやけに長く感じる。
やっと(時間にしたらたいした事はないのだが、あたしには「やっと」、という感じだった)蕎麦がでてきた。この蕎麦は冷たい。冷えた蕎麦の汁の上に鶏肉がのっている。ただしぶっかけではない。ちゃんとした蕎麦と汁である。
見事なものだ。肉の脂の固まりが出来ない。綺麗に煮込まれてるからだろう、とさっそく一口。
あたしは同じ様なものを10年程前に山形に行った時に食した覚えがあったが、なにせ酔っ払い、詳しいことは何も覚えていないのだ。だがこの蕎麦はその覚えていないを、頭の片隅に甦らしてくれた。
うまいなー。蕎麦は田舎蕎麦だし、汁も甘い。そして鶏肉は限り無く素朴である。しかしどれもがバラバラではなく三位一体に主張し合っている。これは素晴らしいものに出合った。あたしは滅多に無いことなのだが汁までのんで完食したのだ。またこよう、と誓って午後の仕事にまた出掛けたのである。
河北や
東京都千代田区神田錦町1-2 官報神田錦町ビル 1F