町屋ブレンドからあれこれと
盛岡市内には盛岡町屋と呼ばれる古い建物の街並みがある。これは空襲を逃れた賜だろうが、傍目には良い感じの家々が並んでいる(住んでいる人はどうかは知らないけれど)。
その盛岡町屋がある鉈屋町の一画に「もりおか町屋物語館」があり、(その中に)お休み処として「カフェDOMA」がある。あたし達はここの「町屋ブレンド」で一服したのである。
コーヒーを古い柱のある部屋で飲む。なんとも云い難い風情がある。特に浅草に住むあたしには想像の世界でしかないような場所である。羨ましいとさえ思った。
しかしこの「もりおか町屋物語館」という施設、立派な建物の割には決して流行っているようには見えなかったのだ。あたしの会った人の数は五指に余るだろう。
しかしだ、それがいいのである。なにせ「特定非営利活動法人いわてアートサポートセンター」というところの運営なのである。直ぐ目の前には「時空(とき)の商店街」という売店があるが、ここも人はホンの僅かしかいなかった。しかし驚きのものを売っていたのである。
それは「箒(ほうき)」である。部屋を掃く、さほど大きなものではないものだ。
んー、とあたしは考えたのだ。それはズバリ「箒(ほうき)が欲しい」からだ。何故欲しいのかは分からないが、兎に角箒を持って帰りたかった。箒で掃こうとしているところなどあたしの部屋では皆無に近いのにだ。
ぐっと我慢して今回はやり過ごしたが、次回は(たぶん)買うはめになるだろうな、という予感がするのは、「カフェDOMA」の「町屋ブレンド」で一服したせいばかりではあるまい。
もりおか町家物語館(カフェDOMA)
岩手県盛岡市鉈屋町10-8