タコと紅生姜のかきあげそば
午前5時起床。浅草は晴れ。「ゆで太郎本所吾妻橋店」の新作である。「タコと紅生姜のかきあげそば」という。「ゆで太郎」は何時も考えてる。それは「どれだけ飽きないで通い続けてもらえるか」をだ。それには蕎麦は「うますぎ」てはいけない。「うまい」は実はチェーン店では禁断の言葉なのである。
それは、「うまいのかまずいのかなんだかよく分からないが、ややうまい(のだろう)」、というのが正解だと思う。そして挙げ句の果てに自分でやってくれと言い出す。それ上げ下げだけではなく、自分でメニューを考えてくれと(暗に)云ってくる。あたしは「望む処だ」と答えている。
そうでなければ、あの混んでいる蕎麦屋に、週に3日も通えないのである。さて、「タコと紅生姜のかきあげそば」だ。これは「季節のかきあげそば」の一つなのだが、ようは「タコ」が入っているか否かに興味の対象は向かう。そのかき揚げを一目見れば、それはあるのかないのかがよく分からないのだ。
そこでこれを、だぶんと汁の中に沈めふにゃふにゃにしてやるのだ。そうすると、天麩羅の衣が汁に溶け出してこの世の物とは思えない味と姿にになる。その時をみはらかって「タコ」を探すのだ。タコはたっぷりとは入っていない。足の先だけが5,6個箸の先に引っ掛かる。そいつを食べると妙に生姜の味が支配的だが、たしかにタコだ。
その味は、何だか分からないが、確かにタコの味だった。しかしこの蕎麦、その「タコ」を探すために最後まで汁を飲んでしまう。それは決していいことではないことは分かっているのだが、どうしてもそうなってしまうのだ。まったく罪作りな蕎麦なのである。
ゆで太郎本所吾妻橋店
東京都墨田区吾妻橋3丁目7-4