かき玉そば
午前3時50分起床。浅草はくもり。この写真は「墨田区役所 食堂」の「かき玉そば」である。あたしはこの蕎麦が好きだ。その制作工程を見ると、ゆで上がった蕎麦に「かき玉」の汁をそのままかける。もちろん「かき玉」の汁は大量に出来上がっている。
それは蕎麦の汁にたまごを入れるのではない。
たまごが入った「かき玉」の汁を入れるのだ。
この作業を見た時はけっこうな衝撃だった。一瞬、蕎麦の汁は如何するのだろう、と思う。これは、カタクリ粉の「とろみ」が特徴の蕎麦なのだが、最初は、この「とろみ」が塊となって蕎麦にのっている、という感じなのである。
つまり蕎麦の汁がどこにも見当たらないのだ。
あたしはこれを見て、「翁そば」の「カレー南蛮そば玉落とし」を思い出していた。
「カレー」と「かき玉」の違いはあるが、その形態(最初は蕎麦と上に掛かったカタクリ粉の「とろみ」がある汁の塊)がそっくりだ。だからといって、「翁そば」程の緊張感はないのだが。
蕎麦と云いながらも蕎麦は見えない。この「かき玉」は見事な時差式の構造になっている。次第に蕎麦に掛かったカタクリ粉の「とろみ」が緩み始め、ある程度の処から汁が現れる。正に「カレー南蛮そば玉落とし」を初めて見た時の不思議と同じである。
しかしこの蕎麦、食べると何時もの「墨田区役所 食堂」の味である。優しい味なのだ。[浅草グルメ]
墨田区役所 食堂
東京都墨田区吾妻橋1丁目23-20 墨田区役所1F