浅草五丁目
午前4時10分起床。浅草は雪。留守番2日目の夜だ。あたしが向かったのは「ナカジマ食堂」である。「ナカジマ食堂」はたぶん呼び名であって、正式には「ナカジマ」が正しいのだろうが、「ナカジマ食堂」がすっかり身についてしまっているあたしには「ナカジマ食堂」で良いのだ。
しかし「ナカジマ食堂」も6年振りである、小学校が終わってしまうのだ(笑)。千束通りを北に向かって歩いていくが、まあ、道順的には「田舎風タイレストラン ソンポーン」を超えて「末っ子」の先の反対側にある。こうして見るとあたしは五丁目の店には余り行っていないなぁ、と思う。
「街的」と云う言葉をよく使っていた時代には、まだ五丁目に行ったような気がする。しかし、チエーン店の面白さを甘受する様になってからは、一丁目、二丁目に出向いている。それは家人の影響が大きい。であれば今日は家人がいないのである。故に五丁目に向かうのである(笑)。
常連と外様
さて、一葉桜・小松橋通りを超えると、ガラリと街の様相が変わる。この街の雰囲気が変わる一つ目の境界は、言問い通りにあり(二丁目と三丁目の境)、二つ目の境界は、一葉桜・小松橋通りにある(四丁目と五丁目の境)。あたしはその境界の直ぐ近くに住んでいるが、五丁目に行くときはなぜか気合いが入る(笑)。
それは見るからに客が違うからだが、ウチの大家さんの処(「喜美松:浅草四丁目」)は、まだ電車を使って、余所からおいでになる方も多い。しかし五丁目の店というのは殆どが常連さんである。(「ナカジマ食堂」で)あたしが座った席は壁際であって、そこには3つ同じ様な席が並んでいた。
あたしは真ん中の席に座ったのだが、両隣もお客さんが一人ずつ座っていた。左側の親爺さんは「レモンハイ」をうまそうにのんでいる。新聞などを読み、服装は丸っきしの普段着だ。これは常連さんと見た。一方右側のお兄さんは、日本酒を頼み酒肴も沢山机の上に並べている。あーこれは外様かなと思う呑み方だった。
中途半端
一方あたしと云えば、常連であるはずも無く、かといって外様という程のものでもない、その辺の普通の親爺である。中途半端な男である。いや、中途半端で全然かまわないのだが、そんな中途半端なおやじが「レモンハイ」をオーダーした。そして酒肴には「牛モツの煮込み」と「アジの刺身」である。
これで「レモンハイ」をやっつける。「アジの刺身」がうまい。と早々と2杯目をお願いする。まだ酒肴は残っていっていたが二つ貰ってみた。「白子の酒蒸し」と「お新香」である。手を挙げてねぇさんを呼ぶと「白子の酒蒸し」と「お新香」をお願いする。するとおねぇさんが、お新香は半分でいいですね、と云ってくれた。
いや助かるのである。勿論「半分でお願いします」と伝える。この店は一見だろが常連だろうが、勿論あたしのような中途半端であろうが、みんな同じなのだ。同様に扱ってくれる。それは気持ちのいいものだった。そしてあたしは3人の客の中で最初に勘定をすませた。またくるよ、と云って店の外でると、あーそこには待ち人が数名待っていたのだよ。[浅草グルメ]
酒 食事処 ナカジマ
東京都台東区浅草五丁目37-6