春菊天そばと生たまご
午前4時40分起床。浅草はくもり。
今日のランチは、あたしが「日本一うまい」と公言して憚らない、浅草地下街にある『文殊浅草店』の「春菊天そば」だ。
今日も「生たまご」を一つ足してみることに。
もっとも「日本一」と呼べるのは、蕎麦の出来が良い時だけで、正直に云えば今日は少しばかりがっかりさせられたのだ。
「春菊天」がやや小ぶりだったし、何よりたまごの置き方が気に入らない。
普通は「たまご→つゆ」の順であってほしいのだが、どうやら今日は順序こそ正当だが、汁の温度が今一つなのだ。
それゆえに、いつものように白身がくもらない。
そう、「月見そば」の月に、うっすらと雲がかかるという、あの粋な仕草を、今日は見ることができなかったのだ。
こんな細部を気にするのはあたしだけかもしれないが、立ち喰い蕎麦とはいえ、折角のランチだ。
情緒とはそういうところに宿るわけなのだな(笑)。
しかし、汁の色は赤黒く映え、そこに鎮座する春菊天と汁の熱で白濁してきた「生たまご」の佇まいは、やはり実に趣がある。
まずは蕎麦を手繰れば、汁の出来も上々で、思わず「うまいなぁ」と独りごちる。
それから、春菊天を箸で汁の海にどっぷりと浸してやる。
その浸した端っこをちょいとかじり、たまごを片面の蕎麦の上に散らしていくのだ。
そうすると、春菊の「緑」とたまごの「黄」が見事なコントラストを描き出す。
この時、たまごの中から蕎麦を手繰りあげてれば、これこそがあたしの一番好きな蕎麦の味になっているのだよ。
それはもう、うまいのだ(笑)。
そして春菊天が汁をたっぷり吸い、バラバラになりそうなその寸前、その刹那の破片を蕎麦と共に一気に手繰れば、いやはや、堪らないうまさなのだ(笑)。
この行為こそが、浅草地下街における至高のランチだ、とあたしは呼びたいのだよ(笑)。
文殊浅草店
東京都台東区浅草一丁目1-12 浅草地下街

