春菊天そばと生たまご
午前5時50分起床。浅草はくもり。
この日は寒い日だった。それで(あたしが)日本一うまいと公言している「春菊天そば」を手繰りに『文殊 浅草店』へとやってきたのだ。
そろそろ「冷し」を手繰り始めたこの頃なのだが、この日は熱い蕎麦が、それも「生たまご」を落とした「春菊天」が無性に恋しかったのである。
あたしは『文殊 浅草店』をこの上なく信頼している。だが、時に、いくら「日本一」と云ったところで、「おいおい、今日のはないだろう……」と首を傾げたくなる出来に遭遇することもある。
さて、今日の職人さんの腕前はどうか。
目の前に置かれた一杯を見て、思わず相好を崩した。この日の「春菊天」は実に見事な揚げ具合。その上、汁の色がこれまたいい塩梅に赤く映えている。この赤黒い汁こそが、「文殊」の証なのだ。
「おー、今日の出来は最高だな」
心の中で「春菊天そば」と「生たまご」の完璧なフォーメーションを讃える。
汁の熱で少し白く濁り始めた「たまごの白身」。その背後にドシリと鎮座する春菊天。
いや、これだ。こうでなくっちゃいけない。この顔つきなら間違いなく、最高の状態で食える。そう確信させる「顔力」が、今日の一杯には確かにある。
「文殊」への敬意を払いつつ、早速、「春菊天」を汁の海へと沈めてやる。そして、おもむろに蕎麦を手繰り始めれば、思わず「うまいなぁ……」と独りごちていた。
今日の汁は見事だ。ガッツリとまではいかない。しかし、「文殊」ならではのあの見事な塩っぱさが、実にうまいのだよ(笑)。
途中で「たまご」を片側の蕎麦に絡めれば、春菊の「緑」と黄身の「黄」が見事なコントラストを描き出す。これと蕎麦を同時にズルズルッと手繰れば、いやはや、もう堪らない。
そして、汁をたっぷりと吸った「春菊天」が、バラバラに解けるか解けないかの瀬戸際。その刹那のタイミングを狙って、口いっぱいに破片を放り込むのだ。
いや、うまいのだよ(笑)。
春菊天の破片を食らう
うまいのだよ(笑)
[お蕎麦deランチ] [ 浅草グルメ]
文殊浅草店
東京都台東区浅草一丁目1-12 浅草地下街

