土佐小夏土佐小夏


土佐小夏

午前4時59分起床。浅草はくもり。今年も初夏の果物、土佐の「小夏」をいただいたのだ。いつもこの時期にやってくるこの「土佐小夏」は、いつもと同じ様にごろごろしていた。

だけどなんか以前よりも数段甘くなっているように思えるのは何故なんだろう。歳をとったせいで甘く感じたのか、それとも本当に甘くなったのか。

甘皮を残してスライスしてそのまま食べる。いつもの食べ方だ。今年最初のモノだ、その食べ方で食べた。「わさび醤油」をつけては食べなかった。いつもと同じ様にやって来て、いつもと同じ様に食べる。あたしの生活の中に小夏が根付いてしまったのだろう。

酸っぱくて、甘くて、思い出の沢山詰まったこの黄色い宝石の様な果物を見ていると、初めて小夏を知った18年前の月日が昨日のことのように思いだされる。決していい日ばかりじゃなかったけれど、この「土佐小夏」をあたしに教えてくれただけで幸せな日々だったのである。

土佐小夏