芦別での現場見学後のランチは、芦別駅近くの多楽腹亭でレバニラ炒め定食であった。
私にはいい店と悪い店の直感的な判断方法があって、それは(厨房が見える場合に限るのだが)、どんなに古い店だろうが、よい店は厨房のステンレス類がピカピカに磨かれているということだ。
大事なポイントは、新しいということではなく、よく磨かれているということで、つまり、しっかり掃除がされているということである。
そんなお店に安心感を感じるのはあたりまえで、行動経経済学的にはヒューリスティクスなのだと思うけれど、総じてその直感は正しい。
それはきちんと清掃がされ、整理整頓された現場に悪い現場が無いのと同様にである――だから施主に安心感を与えるためにも、現場は常にきれいでなくてはならない――。
当然に、多楽腹亭の厨房のステンレス類はピカピカであったし、店内は浅草の旅質な洋食屋が持つ子宮的温かさまで漂っていた。
それは厨房にぶら下がっていたフライパンと、店主の洋食屋のシェフを思わさせるすがたかたちのせいかもしれないが、たぶん人柄が滲み出ているのだろうなと思った。