ねぎま鍋
一文本店のねぎま鍋
昨晩は、北海道から西村さんが上京され、うどん星人二合さんと一緒に談合。生憎の雨で寒かったので、鍋にしようと思い立ち、一文本店にてねぎま鍋をつつきながら、日本酒を楽しんだ。
ねぎま鍋は、その名の通り、まぐろとねぎの鍋であるが、まぐろはトロを使うのが本筋である、と(あたしは)思う。
トロ
なぜなら、ねぎま鍋は、その昔――まだ日本人がまぐろを下魚としか扱わず、赤身の部分しか食べなかったころ、捨ててしまうトロの部分を如何にして食べるかを考えた末に生まれた創造の賜物だからだ。
梅安は、解せぬ顔つきになった。
当時料理屋では鮪などを使うことはめったにない。
ましてや脂身(トロ)などは、魚屋で切り捨ててしまうほどで、筆者が子供のこおろでも、母が、
「葱鮪にするから大トロを買っておいで」
というので、買いに行くと、魚屋に、
「坊や。金はいらねえよ」
などと、いわれたおぼえがある。
(引用:池波正太郎:『梅安影法師―仕掛人・藤枝梅安〈6〉』:p56-57)
今となっては、トロは逆に高級品になってしまっている。(一文でも、トロを使うのは上ねぎま鍋と名指しされ、御代も赤身を使うもの倍になる)。しかし、どうせ食べるのなら、トロを使ったねぎま鍋なのである。
これは関東風の黒々とした醤油ベースの鍋であって、その醤油が鮪とねぎとを一つにまとめるのは、とても浅草的というか、江戸的である。
Tabblo
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浅草一文 本店 (居酒屋 / 田原町)
★★★★☆ 3.5
台東区浅草3-12-6
03-3875-6800
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