桃知商店よりのお知らせ

Googleのティッピング・ポイント(分岐点)―信頼は得るのは難しく、失うのは簡単。

午前8時起床。浅草は晴れ。

TechCrunchに気になる記事があった。

Googleのティッピング・ポイント(分岐点)

Firefoxの共同ファウンダー、Blake RossがGoogleを批判する“Tip(ヒント*):信頼は得るのは難しく、失うのは簡単”という記事を書いた。Rossは最近のGoogleの検索で、Google自身の製品が検索結果の上位に置かれる問題を取り上げている。

現在Googleは市場を支配する立場にあり、支配者につきものの傲慢さを間違いなく身につけてしまった。だが、Googleは自分で作ったあのクソ忌まわしいモットーのおかげで非常に難しい立場に置かれている。そしてたぶん今は、世論が手のひらを返したように一変するティッピングポイント(水面下にためこんだ不満なり人気が弾ける瞬間。分岐点)に直面している恐れもあるのだ。みんな次第次第に、Googleが躓くことを望み始めている。なんかヘマするたびにマスコミはここぞとばかりに飛びつく。そしてあのモットーが持ち出されるのだ。(TechCrunch


この記事がいっていることはむずかしいことではない。

普遍経済学

普遍経済学Googleは、普遍経済学の原理に忠実に、インターネットという純粋贈与の世話をすることで純生産を得てきた。

それが交換の原理と交わることで、その純生産はトポロジカルな反転をおこない、商品を生み出した―― Google AdWords。

それは、自らが奉仕すべき純粋贈与をしっかりと持ち得たからであり、それゆえに資本の増殖もおきた。

そしてなによりも、多くのユーザー(これが純粋贈与なのだが)から、信頼(純生産)を得ることができた。

それが純生産の本質だろうし、そのために、個々のユーザーからみると、Googleは純粋贈与にみえるのである。「Googleの純粋贈与仮説―普遍経済学的アプローチ

それは奇跡のような普遍経済学的三位一体であるだろう。

贈与―純粋贈与

しかしそれが(一時的にでも)可能だったのは、「ビジネスで成功したければ、ビジネス以外の、つまり交換以外の、贈与と純粋贈与を考えなさい。」 ということの賜物だった――というのが私の仮説なのだ。

そしてそれ(信頼の構築)には、長い時間がかかることはいうまでもない。

速成の農作物にあまり信頼が置けないように……「Googleの三位一体モデルと農業の三位一体モデル」。

しかし、いったんGoogleの中に入りこんだ交換の原理は、Googleの内部で贈与の原理に代わる、新しいルール(象徴)として機能しはじめてしまった(のだろう)。

その理由は簡単である。

エコノミー

よりエコノミーだから――つまり複雑性の縮減を可能とするからだ。

しかしそれは純粋贈与(インターネット)を、資本の増加の道具としかみないことで――つまりユーザーを金儲けの道具としかみないことで、純粋贈与――つまり究極的にはユーザーの信頼を失うことになるのだろう。

その崩壊のスピードは、構築のスピードに比べれば瞬時である――信頼は得るのは難しく、失うのは簡単。

Googleは今その狭間にいるのだろう、と(私は)思う。  

ビッグスリーには株価を高どまりさせておく高い収益の確保が必要だった。新事業は数十万ドル、いや数百万ドル単位の売り上げが期待できないと買収交渉の対象として見向きもされなかった。新事業では年間1千万ドルの売り上げが確実とされることも普通だった。ところがそこへ株式市場のバブル崩壊が起きた。ベンチャー資金も広告資金も枯渇し、約束された新事業は幻と消えた。収益を生み出す予定の会社が倒産してしまっては、予想収益も決して実現することがなかった。Yahooはじめ各社が一番の打撃を受けた。大量レイオフが行われ、CEOが次々クビになった。傲慢な態度も影をひそめた。

これは、Yahoo、AOL、Microsoftというビッグスリーの歩んできた道かもしれないが、公共事業という産業が歩んできた道でもあることを、われわれは心に留めておくべきだろう(と私は)思う。

Track Back [1]

[書評]ティッピングポイント

ももちさんの記事を読んで、こりゃあトラバしなきゃ!と思って「ティッピングポイント HPO」で探したらない! http://www.momoti.com/... 続きを読む

このページの上部へ

プロフィール

桃知利男のプロフィール

サイト内検索

Google
Web www.momoti.com

Powered by Movable Type 5.2.13