豆腐か

お豆腐レアチーズこれは「お豆腐レアチーズ」と名指しされたチーズケーキである。

しかしそれは、パッケージからして"まるで豆腐"なのであり、その白い肌もまるできぬごし豆腐であり、皿に載せればもっと豆腐なのである。思わずおろししょうがと削り節とネギでも載せ醤油をかけて写真をとってやろうかと思ってしまった。

浅草松屋で開催されていた、北海道物産展で購入したこのシミュラークルは、これでケーキだと言い張るものだから、私の意識は見事にズレを作り出し、笑わずにはいられないのである。


お豆腐レアチーズ

お豆腐レアチーズこの製品の約30%は豆腐の原料らしく、たしかに食べるとどこかで豆腐っぽいし――私はチーズケーキは好きでも嫌いでもないが――、甘さは控えめで、ふにゃふにゃ系だし、その姿のズレとは裏腹に、予想以上においしい――ものだから、さらにズレは深まる、が食べてしまえば、その姿は消えてしまうわけで、混乱もまた消え、残るのは味の記憶だけである。(それは見事な戦略かもしれない)。

擬態

これは言ってみれば擬態なのである。お菓子の擬態は今にはじまったわけでもない。しかし、ケーキが豆腐を装う時代がくることなど、誰が考えただろうか。それは単にウケを狙ったものかもしれないが、そのインパクトは予想以上に大きい。

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ベイクド。アルル
北海道江別市上江別464-9