柏餅

端午の節句には少しばかり早いのだが、この季節になれば柏餅を食べる。それは好きだとか嫌いだとかを超えていて、食べたいとか食べたくないも超えている。ただ食べなくてはならないから食べるのである。

柏餅柏餅とは、柏の葉っぱの上に、上新粉とくず粉(片栗粉)を混ぜてつくった「しんこ餅」に、あんを挟んだものを置き、柏の葉を二つ折りにして包んだお菓子の事です。柏の葉は、新芽が出ないと古い葉が落ちないという特徴があるので、これを「子供が産まれるまで親は死なない」=「家系が途絶えない」という縁起に結びつけ、「柏の葉」=「子孫繁栄」との意味を持ちます。(引用:「端午の節句/柏餅と粽の由来」


この生きづらい世の中で、「子孫繁栄」がどれだけの意味を持つのはしらないけれども、日本人は柏餅を食べながら殖えていくのである――最近は現状維持もできやしないが――。

徳太樓

柏餅柏餅にはふたつのタイプがある。(それは私の勝手な分類だけれども)。

ひとつは平たく丸めた上新粉の餅を二つに折りし(つまり襞のない餃子というか貝のかたちだね)、その間に餡をはさんで柏で包んだもの。

もうひとは、餅を饅頭状態にまるめ(勿論餡はその中に入っている)、それを柏で包んだものだ。

徳太樓の柏餅は後者であり、餅の部分は思いっきり薄い。故に新粉餅特有の、あのもちもち感を楽しむには少しばかり物足りない。しかし中に入っている漉し餡ときたら、甘すぎず、かといって甘味に物足りなさもなく、つまり絶妙の甘味なのであって、やっぱり徳太樓だな、とうなってしまうのである。

徳太樓
台東区浅草3-36-2
03-3874-4073

徳太樓
 [浅草グルメマップ]