昨晩の夕餉は寿司をつまみに象潟の基寿司に入る。
おまかせでお願いしたら、職人肌の親方が、今はね、これしかねぇんだよ、といってシンコと新いかを握ってくれた。
新子(シンコ)
シンコにめぐり合えたとき程、ああ、江戸で暮らしていてよかった、と思う瞬間はないだろう。
シンコはコハダの子供。小さいほど高い。7月ごろに出るのは高くて手がでない。我々庶民が食べるのは8月になってから。
それでも、2枚づけで1かんなのである。親方曰く、これを開くのはていへんなんだよ、なのである。
食べてみると、新子の身はコハダ程の存在感は無い。けれども、口いっぱいに広がる旨みの無限小、その拡散がたまらない。
そこにわさびの利いた酢飯がくれば、背中がしゃきっと伸びる。さらにうれしいことには、これがまた酒にあうのである。
新いか(シンイカ)
しんいかは、スミイカの子供。これも新子同様、ああ、江戸で暮らしていてよかった、と思う瞬間である。
今の時期だと1匹で1かん。ちょっと早いか、というところだろうか。
でも、そんなことはお構いなしに食べる。
そして、こういうものに触れるとき、ふと、抵抗しがたい、江戸的なものがやってくる、のがわかる。
それは、どうしようもないもの、であることで、ああ、鮨は凄いな!と思わざるを得ない。
基寿司
基寿司は、引越し先で、一番近い鮨屋になる。職人肌の親方曰く、鮨は季節のものを食べてりゃいいんだよ、なのである。こういう人、私は大好き!なのである。w
基寿司
台東区浅草4-37-8
03-3874-1751
[浅草グルメマップ]