堀留屋の肉南蛮そば冷や
午前5時40分起床。浅草は晴れ。この日は日本橋に居て、午後3時まぎわになってもまだ
いい機会だ、というのは3時も近いし十分に腹が減っているからで、堀留屋はその量の多さで名が通っている。その「量の多さ」というのが半端じゃなく、「少なめ」で麺の量は400g、「少し少なめ」で500g、「普通」で600gもある。ついでに書けば「少し多め」で700g、「多め」で800gである。
これが丼に入ってどんと出てくる。まずあたしの腹では入る余地もないだろうが、この日は少々自信があったのだ。とはいっても3時のランチだからである、というどうしようもない理由からだ。あたしは肉南蛮そばの冷やを頼んだ。
掘留屋の肉南蛮そば冷やは竜泉の角萬の冷や肉に似ている。しかし似ている、と云えるのはせいぜいその外観だけで、それもぱっと見た目が似ている程度である。あたしは「少し少なめ」で麺をたのむと、ついでに平麺(太麺)にしてもらうのも忘れなかった。
なんとか食える量か、と思い食べ始めたが、それは直ぐに浅はかな考えだとわかる。いくら食べても蕎麦が減らないのである。中の汁を飲む為に木製の小型おたまのようなものがついてくるのだが、それを一度も使わずに、蕎麦を食べ終えることだけに集中した。しかしはっきり云って蕎麦で死ぬかと思った。味など覚えているわけがない。
しかし翌日になればまた食べたくなるのが、元100kg近い体重の持ち主の面目躍如だ。しかし当然その日の夕食は食べられず、翌朝の血糖値は143mg/dlもあった。また食えるのは3ヶ月後かな、と考えていたりしているのだから、だらしのない男なのだ。