文庫本X(表)文庫本X


文庫本X

午前5時55分起床。浅草はくもり。盛岡から帰る時、いつものように「さわや書店 フェザン店」に寄った。そこでは新幹線の中で読む本二冊と、この夏以来話題となっている「文庫本X」を購入したのだが、「文庫本X」とは中身が分からない謎の本(=X)との意味だ。それはTVでも紹介されていたし、兎に角話題になっているという、謂わばマーケッティングの塊のようなものだ。

このマーケッティングというのは(あたしは)嫌いなのだが、ただ好き嫌いではなく、確かに(あたしには)勝利したようで、なにせあたしも810円出してこの本買ってしまったのである。人生58年、中身を確認せずに本を買ったのは初めてのことなのである。今はこの「X」という本がなんなのかを知っている。それは面白い、と云えば面白い本だし、面白くない、と云えば面白くもない本なのである。まあ、一般の人がちょっとクリスタルな気分(古い表現でごめん)で読んでみる、と云うような本ではない(たぶん)。

実を云えば、あたしはあまり読まなくてもいい本だったのだが、家人はこの手の本が大好きなのである。つまり人によって当然に違うのであるが、TVで面白く読めた、等と言われるとつい買っていしまう。ということで、この本のカバーに書かれたテクストを紹介してこのブログをお終いにしたいのだが、これを紹介するのは、なによりもこのテクストこそが(一冊)810円の価値を持つ、と(あたしは)思うからであり、あたしがのせられた文章なのである。

申し訳ありません。僕はこの本を、どう勧めたらいいか分かりませんでした。どうやったら「面白い」「魅力的だ」と思ってもらえるのか、思いつきませんでした。
だからこうして、タイトルを隠して売ることに決めました。
この本を読んで心が動かされない人はいない、と固く信じています。
500Pを超える本です。怯む気持ちは分かります。
小説ではありません。小説以外の本を買う習慣がない方には、ただそれだけでもハードルが高いかもしれません。
それでも僕は、この本をあなたに読んで欲しいのです。
これまで僕は、3,000冊以上の本を読んできました。その中でもこの本は少しでも多くの人に読んで欲しいと、心の底から思える一冊です。
この著者の生き様に、あなたは度肝を抜かれ、そして感動させられることでしょう。こんなことができる人間がいるのかと、心が熱くなることでしょう。僕らが生きるこの社会の不条理さに、あなたは憤るでしょう。知らないでは済まされない現実が、この作品では描かれます。あなたの常識は激しく揺さぶられることでしょう。あなたもこの作品と出会って欲しい。そう切に願っています。
ここまで読んでくれた方。それだけで感謝に値します。本当にありがとうございます。
※もし既にお持ちの本であった場合、返金いたしますのでお申し出ください。
文責:長江(文庫担当)

文庫本X(裏)

さわや書店 フェザン店
岩手県盛岡市盛岡駅前通1-44