平和祈念コンサート と平和のオブジェ
午前4時45分起床。浅草は晴れ。墨田区役所ではお昼の時間だった。墨田区では、東京大空襲のあった3月に、毎年「平和祈念行事」を開催しているが、今年は「新日本フィルハーモニー交響楽団」と「広島交響楽団」のメンバーによる「平和祈念コンサート」が行われた。
そうだ、3月10日は東京大空襲の日なのだ。
この「平和祈念コンサート」は大変よかった。沢山のお年を召した方々が聞いておられた。あたしもお年を召した方の一人として聞いた。なにせ生で演奏を楽しむなんて滅多にないことなのだ。
そして「平和のオブジェ」があたしの目をひいた。今回のオブジェはいつになく漫画が描かれている。それは、漫画家の「ちばてつや」さんが監修であるからだ。墨田区は何かと「ちばてつや」さんのお世話になっている。この2020年に開かれるオリンピックでも、両国国技館がボクシングの会場になっているが、そのプロジェクトに「あしたのジョー」が借り出されたりしているのだ。
そして、何よりも今日は「東京大空襲」の日である。裏浅草に住んでいながら墨田区役所に行っているのは、不思議でもなんでもないあたしの性だが、いつも思うのは、あたしは沢山の屍の上に住んでいる、ということだ。それは関東大震災があり、江戸の数々の大火があり、吉原炎上もあった。
そういう地図と暦の上であたしは生きている。3月10日にはそういう記憶が刻み込まれている。それは浅草近辺に住むなら否応なしにである。しかし、ここには屍が積み重なっている、という思いは、べつに恐怖を抱くものでもない。ただ、そのうちあたしもその仲間入りするのだから、今は目一杯生きてやろう、と思うのだ。
墨田区役所
東京都墨田区吾妻橋1丁目23-20