揚げ物の夜
午前4時起床。浅草はくもり。この日の夜は家人と二人で出かけた。「肉のふくや」におかずを買いにである。この何気ない行為こそが、変わりつつある奥浅草の残像だと云ってよいだう。奥浅草に住んで20年、奥浅草に住む楽しさとは、こうして近所の肉屋で揚げたての物が買えることなのだ。
この日は「エビフライ」、「ハムカツ」、「はんぺん」、「アジフライ」、そして「メンチカツ」を貰う。どれもが、あたしと家人の好きなものである。偶にこうして自分の好きなものを揚げて貰う。揚がるまで暫くまっていると、次から次へとお客さんがくる。(あたし達が買わない)「コロッケ」が売れていく。
でも、あたしは「ハムカツ」が好きだ。だれがなんと云っても「ハムカツ」なのだ。順番は「ハムカツ」、「メンチカツ」、そして「コロッケ」になる。「ハムカツ」が何時も一番なのである(「ニュー王将」を除く)。
しかし、この残像も、残っているのは(商品はまるっきし違うが)、ここと三丁目の「竹松食品」のみになってしまった(あたし的にはだが)。「ハムカツが食いたいな」と思ったら、ちょっと出掛けて買って帰る。「肉のふくや」も「竹松食品」もまだ大丈夫だとは思うけれど。この二つがなくなってしまったら、ここにいる意味もなくなってしまうのだ。[浅草グルメマップ]
肉のふくや
東京都台東区浅草5丁目30-9
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