上カルビ上カルビ


ホルモン スタミナ屋

午前4時起床。浅草は雨。この日は、あたしと息子に二人だけの夕餉であって、「ホルモン」がうりの「ホルモン スタミナ屋」に行ってみた。「スタミナ屋」は一丁目にあるが、狭い店内は人で溢れていた。あたし達は席の端っこに座ると、オーダーをとりにくるのを待った。しかし、何時ま経っても注文をとりにこない。

店内は二人の男性が賄っていたのだが、忙しくて手が回らないようだった。それにここは客質もよくて、肉体労働者タイプの方々が多い。もう五月蠅くて、はなしもよく通じないような塩梅だ。これは抜群の環境である(とあたしは思った)。漸く近くに来た一人を捕まえて無理やり注文を入れた。

カルビとタン塩

「センマイ刺し」と「上タン塩」と「上カルビ」だ。それにビールを貰う。肉はと云えば何よりも「カルビ」だ。「ホルモン」中心の店ではなかなかうまい「カルビ」にはお目にかかれないが、いや、しっかりとうまい。そして「上タン塩」も抜群の色だ。こんなタンを見たこともない。勿論これもうまい。

牛レバー

店の壁には「上レバーは必ず焼いてお召し上がりください」と貼られていた。それを見たあたしは笑いながら、「成程、そういうことか」、と「上タン」を注文する。そしたら店員さんが戻ってきて「売りきれました」とのこと。なに、折角、焼いたつもりで生で食おう、と思ったのに。なんてこったい。

しかし、これだけうまい焼肉を出す店で、うりの「ホルモン」を食べないわけにはいかない。「ホルモン」と「牛レバー」を貰う。特に「牛レバー」は「上レバー」から「上」の字が消えている。そして、最初からタレが掛かっていて、(勿論)焼いて食べたのだが、コリコリした歯ごたえなんて久しぶりの快感だった。

浅草に恋したホルモン屋

これが「上レバー」ときた暁には、と期待が膨らみ、またこなくちゃいけないな、と思う。

この店はいい店だ。浅草ではまだ日は浅いが、しっかり浅草している。もしくは浅草している浅草の様なホルモン屋に、浅草の人間が惹かれている、と云ってもいいだろう。例え、浅草のシミュラークルだと云われてもだ。[浅草グルメ]

上タン塩

センマイ刺し

牛レバー

ホルモン

ホルモン スタミナ屋
東京都台東区浅草1丁目14-4