宵紫宵紫


宵紫

午前4時40分起床。浅草は晴れ。まったく篦棒なものを頂いてしまった。「宵紫(よいむらさき)」という羊羹である。この羊羹、「成田不動尊御縁日羊羹」と書いてあるように、成田山の御縁日に売り出されるもののようで、千葉県成田市にある「なごみの米屋」のものである。

そして、これを贈ってくれたのは、成田市の「平山さん」なのだが、一体なんの為に、と頭の中が?で一杯になった。

最初は、紫色の風呂敷包みも仰々しく、何が来たのか分からなかったが、包みを解き、出た来た杉折りの箱を見て益々分からなくなる。しかし、「のし」と丸く円を描いている「水引」が、なにか優しく語りかけているようで、ちょっと落ち着くどころか気分が丸くなる。実に恐ろしきは伝統のもつ力なだな、と思う。

羊羹を食べる!

左上の差し紙で、これが「宵紫」というものだという事がわかる。そして、その「宵紫」が「羊羹」だということもだ。杉折りの木製の箱を開けてみる。中から出て来たのは一面の「羊羹」だった。これは篦棒なものを頂いてしまった、と思う。「羊羹」を見て喜んだのは家人だけだったのである。

しかし、あたしも(糖尿病の為)砂糖を取ることを良しとしないのだが、この際だから食べてみよう、と小さな欠片を頂いてみた。おーこれは上品な「羊羹」だ、と一口食べた途端に思う。舌の上で遊ぶものに、なにも気に触るものがない。これは素材が良いのだろう。「羊羹」と云えば「虎屋の羊羹」が重い浮かぶこの頭には、弾力感のある新鮮な味わいだった。

宵紫

宵紫

宵紫

なごみの米屋 總本店
千葉県成田市上町500