春菊天そば春菊天そば


春菊天そば

午前4時20分起床。浅草はくもり。今日は「文殊浅草店」である。ここはどんなにうまい蕎麦屋が出てこようが、食べている人は気にしないだろうし、ましてや店の職人さんは"どうでもいい"という顔をするに違いない。なにぜ場所は浅草である。浅草には蕎麦屋は名店が揃い、基本的には(あたしは)浅草の蕎麦が好きだ。

例えば「弁天」であり「尾張屋」である(あくまでもあたしが食べたことのある範囲だが)。しかし幾ら名店が揃っても他の店と比べられない物がある。それはここが浅草地下街にあり、客席など微塵もないという潔さだ。その立地だけで蕎麦食いの心は動くのである。そして、よし、「春菊天そば」を食べようと。

この店の「春菊天そば」は、あたし的には日本一うまい。誰が何と云おうとこの「春菊天そば」を越えるものはない。それがどんなに旨くても、ここの春菊天そばが日本一だと思っている。その「春菊天そば」を手繰ってやる、と思うと、考えただけでもよだれが出てくる。店に着くなり自販機で「春菊天そば」を選ぶ。

至高の時

その食券をカウンター越しに職人さんに渡す。勿論「蕎麦で!」と云うのを忘れてはならない。すると待ってました、とばかり直ぐに「春菊天そば」は出てくる。あの赤みの強い汁の上に「春菊天」の載った蕎麦がだ。このスピード感こそ、銀座線浅草駅改札前にあることの正解だと云えるのである。

そして出てきた「春菊天そば」をまじまじとみる。これは旨そうである。春菊天とねぎだけのトッピングである。これ以上なにもいらい。七味唐辛子を振ることも許されない(あたしだけだが(笑))。今日の「春菊天」は素直である。妙にまるまっている物も出たりするのだが、春菊は細かく切られ香りが強く広がる。

そして直ぐに「春菊天」を食べてはいけない。一度、その全てを汁に浸りしてやるのだ。やがて、この「春菊天」はばらばらになり、丼一面に広がるのだ。つまり、汁の中で「天ぷらそば」の至高の特を楽しもう、その最高の時の姿が素晴らしい。あーうますぎるぐらいにうまいのである。[お蕎麦deランチ] [ 浅草グルメ

春菊天そば

文殊浅草店
東京都台東区浅草一丁目1-12 浅草地下街