ちくま5月号のNARA NOTE+1にぶっ飛ぶ。


ちくま2006年5月号アトリエ

美術学校のアトリエで君は絵を描いている
あれこれ悩んで絵を描いている

時々天才 鼻穴広げて大奮闘
時々凡才 真っ赤になって照れ笑い

時々褒めら 有頂天
時々睡され 怒髪天

それでも君は絵を描き続ける

風が窓ガラスをノックしても
ドアの向こうで誰かが叫んでも
君はちっぼけな空間で絵を描いている

時々笑って 時々泣いて 絵を描いている

時限爆弾はセットされて
静かに静かにカウントダウン

君の笑顔も涙も
君の天才も凡才も
もうすぐおしまいだ

(絵と文:奈良美智)

問題は、「時限爆弾はセットされて」以下のフレーズで、そこにはなにか希望と失望とが混在している。

なにかもやもやさせられる。

「もうすぐおしまいだ」ってなにがおしまいなのだろうか。

ある時期の子供がもつアール・ブリュッド的な天才のおしまいだろうか。

アトリエは子宮。

君はへその緒がつながっている状態。

それがおしまいになることで、「君の天才も凡才も もうすぐおしまいだ」。

つまり、創造性のおしまいなのだろうか。

深読みすると、オタクのおしまい、と読めないこともないのだけれども。

絵の中にある「THE FOOL DRESSED IN PINK」の文字が気になる。(笑)