あんみつ
昼食後、足利学校駐車場の近くの、はせがわ珈琲店にて、一服の時間をつくっていただいた。私はあんみつを食べた。
フルーツクリームあんみつ、と呼んだ方が正確だとは思うが、はせがわ珈琲店の名付けはあんみつなのである――名付けは勝手でよいのである。あとで実態はついてくる。
餡とアイスクリームを混ぜ合わせて食べる、あの甘味のハイブリッドが、私は大好きだ。
はせがわ珈琲店
その大好きを、この店の佇まいや店内の雰囲気は、なにげに引き立てている。この店の雰囲気は、じつによい。きどることなく――つまりわざとらしいところがなく、上品でさえある。
こういう雰囲気を持つ店は、例えば盛岡のような、歴史があって、文教的な環境(パトリ)を持つ街にしか存在できない(だから浅草にはない)。さすがに足利なのである。
ただ、この日は日曜日とあって、隣の太平記館では、八木節の実演が行われており、BGMは八木節であった。八木節は、廓の香りもするわけだが、しかしそれさえも、文化の香りとしてしまうのは、この店の持つ上品さ故だろう。