桃知商店よりのお知らせ

大阪府裏金問題―慚愧(ざんき)。

流通対策室、500万円使途不明 大阪府裏金問題

大阪府の裏金問題に絡み、633万円の裏金が確認された環境農林水産部流通対策室で、約500万円が使途不明のまま流用されていたことがわかった。当時の総務担当者は「何に使ったか記憶にない」と話しており、府は私的流用の可能性もあるとみて調べている。一方、太田房江知事は12日、裏金は21カ所で計5670万円という「最終調査」の結果を受けて幹部会議を開き、「府民に申し訳なく、慚愧(ざんき)に堪えない。徹底した再発防止策をつくりたい」と語った。(引用:asahi.com)


あそびが足りない

午前8時50分起床。浅草は晴れ。裏金は、ハンドルの"あそび"のようなものだろうが、今という時代はそれを許さない。とにかくも今は、あそびのない時代なのである。

信頼が足りない

そして、日本全国どこの役所で同様の問題が表面化しても、もはや国民は驚くこともないだろう。役人とはそういうものだ、と「みんな」は思っている。つまり、役人は〈他者〉から信頼される能力を失っているのだ。

信頼される能力とは、自ら情報を発信する能力であることで、彼らが正確な情報を発信することなど、もはやだれも期待してはいない。しかしその能力は、〈他者〉を信頼する能力と共進化するものであることで、〈他者〉を信頼する能力とは、情報を見る能力なのである。

だとすれば役人は、〈他者〉を信頼する能力も欠如していることで、〈他者〉としての府民が発信している情報を見る(理解する)ことができない。つまり、大田知事が「府民に申し訳なく、慚愧(ざんき)に堪えない。徹底した再発防止策をつくりたい」と語ったところで、この手の問題は、役所というシステム内ではただ再生産されるだけだろう、と「みんな」は思っている。

テッピング・ポイント

そこでは、慚愧などということばは、もはや何の意味ももたない。ティッピング・ポイントはすでに超えているのだ。Googleのティッピング・ポイント(分岐点)―信頼は得るのは難しく、失うのは簡単。

こうして役人の信頼はスパイラル的に落ち込むだけでしかなく、つまり、「公」が解体される原因は「公」の中にあるということだろう。 しかしこれでは、私たちはもはや「公」に依存することを許されない、ということに事態は収斂してしまう。

そして自由を失う

それではなんのために役所はあるのか。そういう根源的な未規定性の部分が表出してしまうことで、この問題は、役所不要論へと流れるだろう。 それが決して「よい世の中」でないことは、いうまでもないのだが、当事者がそれに気がつかないのだからどうしようもない。信頼が足りない――それに尽きてしまっていることで、私たちは自由を失う。

ざんき【慚愧】

 ―する

取り返しのつかない事をしたと強く悔むと共に、自ら恥じること。

用例・作例

―に堪えない

Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997

ついでに書くけれども、「ざんぎ」といえば、私にとってはから揚げのことだが、それは「ざんき」とは違う。(笑)

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