午前7時20分起床。浅草は雨のち晴れ、その後くもりで風が強い。

夜桜

隅田川夕方は風が出て少し寒くなってきたのだけれども、墨田公園の桜も満開である。満開であるなら、夜桜見物に出かけるのが筋というものだろう。

言問橋のたもとから、台東区側をさくらばしに向かい、さくらばしを渡り、墨田区側を言問橋まで下る。今度は言問橋を台東区へと渡り、あずまばしへ向かうのである。

人出は、寒いせいか、思った程ではなかったけれども、花見気分は上々であった。土日はさらに人出は増えることだろう。それはまるで啓蟄なのであって、私たちの身体的な時計がそうさせるようにである。


墨田公園の夜桜桜という花は、刹那であり、人の一生を短い時間で見せてくれる。

今の桜の花は人間にしてみれば20代の力であろう。散ることを知らない、ただ咲くだけの若さをみせてくれる。

しかしそれが永遠に続かないことも私たちは知っていて、やがてそれも散る。

それは桜という植物がこの世に生まれてから繰り返す永遠であることで、その繰り返す円環を、私たちはまた己(と世代――血の継続)になぞりながら、この狂おしい植物を愛でるのである。