青森煮干中華そば
今日のお昼は観音通りの「つしま」で中華そば(中:750円)を食べた。
この店は何度かラーメンのスタイルが様変わりしているのだが、今は「青森煮干中華そば」をだす「つし馬」である。
店頭の張り紙には、こんなことが書かれていた。
青森県の津軽地方ではらーめんと言えば「煮干」と言われる位、煮干を主体としたラーメンが昔から好まれ食されています。「蕎麦屋の流れ」を汲むラーメンが多い為だと考えられ時には「うどんの様だ」と評される事もあります。/当店の中華そばも故郷である青森の味をアレンジする事無く、全て手作りで「一生懸命」作っております。皆さんの故郷にも色々なラーメンがあると思いますが、「これが青森のらーめんか」と少しでも青森を感じて食していただけたら幸いです。店主
蕎麦屋の流れ
さてその青森煮干中華そばだが、見た目は変哲のない東京風の中華そばである。醤油色の澄んだスープ、バラ肉のチャーシュー、メンマ、ネギ、ここまでは破綻がない。
ただ麺をみると異様に太いのである。それはハッスルラーメンホンマを思いださせるが、色白の細めのうどん風であり、ハッスルばりの罵詈固でもない。
そしてスープを一口飲んで驚愕する。これはそばの汁ではないか、と。このスープはまさに立ち食い蕎麦のスープを彷彿させるのである。(ネギの存在がそれを増幅させている)。そして麺を食べてまた驚愕する。これは乾麺を戻すタイプのうどんだよ、と。
ラーメン定義
私はあいにくと青森でラーメンを食べたことがないので、これが津軽の味なのかどうかは分からない。しかし、この味には記憶があって、北関東から北(つまり東北地方)に多いそばとかうどんの味なのだ。
ラーメンの定義なんてあるわけもない。製作者がラーメンと呼ぶならそれはラーメンである。しかし、これはたしかに姿かたちはラーメンではあるが、その味は私の知るラーメンのどれとも違う。食べながら(私の)ラーメン定義が崩れていく。
パトリの味
それは店主が言う様に(店主)の故郷(青森)の味――パトリ――なのだろうと思う。故にパトリを異にする私にとって(そしてこの店を訪れる)多くの方々にとって、このラーメンは非日常そのものなのである。
それを浅草で提供していること、パトリを非日常として経済活動に接続させようとしていること、その試みは非常に興味深く、そして面白く感じた。
しかし(私には)これはラーメンとしては物足りない。ラーメンとは違うとは言わないが何かが違う。ラーメンじゃないとして食べれば相当にうまい。そういう差異を強烈に感じたバイナリーコードなランチの時間であった。
2007年09月21日追記:[つし馬の青森煮干中華そばは確実に進化している。(観音通り:浅草1丁目)]
中華そば つしま (ラーメン / 浅草)
★★★☆☆ 3.0
台東区浅草1-1-8
03-5828-3181
[浅草グルメマップ][浅草でランチ]