ホッピーホッピー


信濃路 鶯谷店

午前4時5分起床。浅草は雨。この夜は鶯谷駅前の信濃路 鶯谷店で呑んだ。ここはいい店だ。鶯谷駅の北口を出て直ぐの処にあるにも関わらず、息子の中学校は南口だし、家に帰るときも南口だしで、北口には寄らず仕舞いだったのだ。

ところが、先日北口付近を歩いていると、そこには昭和の飲み屋が壁を造っていたのだ(壁の向うは数々のホテルである)。あたしは今度来よう(ホテルにではなく壁にだ)、とその時心に決めていた。

この店、外から眺めるよりも、中で頼む方がずーっといい。それは当た前なのだが、その良さとは壁の良さなのだ。まず何と云っても壁が低い。壁があたしの後にある秘密の園のその秘め事さえもそっと包んでしまう。壁が昭和なのである。壁が昭和の風景を守っている、

そして店内の客を守ってくれる。なんて凄いことなんだろう、と思うのだ。

しかし、次から次へと出てくる酒肴の種類さえ、なんの派脈もないことにやがて気付くころには、あたしの身体中にアルコールが回っていた。いや、ホッピーがうまい(あたしはホッピーが”うまい”、と思ったことはないのだ)。あたしは鶯谷駅前に聳える壁の中でぬくぬくと呑んでいるのだった。

店内

まぐろの刺身 豚足

手羽先餃子 ポテトサラダ

タン塩 ホタルイカ

ごぼうの唐揚げ

信濃路 鶯谷店
東京都台東区根岸1-7-4 元三島神社1F