近海たらこ
午前5時40分起床。浅草は雨。たらこである。これも砂子さんが贈ってくれたものなのだが、ひとくち手まり筋子ばかりに目がいっいて、たらこがあるのをすっかり忘れていたのである。
もっとも忘れていたのはあたしだけらしく、家人は何事もなかったようにたらこを夕餉のおかずに出したのだ。
筋子も大好きなのだがたらこも大好きなのだ。だとすれば「ご飯」である。ご飯でたらこをいただこう。しかし、ご飯を週に二度も食べる、という、こんなことがあっていいのだろか、と思うが、あってもいいのだ。なにせ筋子とたらこやってきたのである。
たらこの表面の薄皮を破ると、小さな粒々がご飯と共に織りなすハーモニーの見事さよ。口の中で跳ねまわる。あー日本人に生まれて本当に良かったと思う。
「近海たらこ」と銘打たれているには何かわけがありそうだが、そんなことは、あたしにとってはどうでもいいことなのだ。いま、この時に、目の前にたらこがあり、それをやさしくがぶりとやる感覚。んー、たまらない!