ピラの多い店
午前5時起床。浅草はくもり。金曜日の夜、あたし達は湯島の「赤提灯」に入った。冗談の様な名前だが冗談ではない。「赤提灯」がこの店の正式な名前なのだ。中に入るとその明るさに驚く。まるで関西の店のようだ。そして壁中に貼られたピラの数々。中々楽しい店のようなのだ。
場所はほぼ湯島、まあ別名上野2丁目というところだが、店の周りには風俗店が多い。客は圧倒的に親父が多く、それもサラリーマンだ。それが店中にいる。一人で飲んでいる人もいる。いや、久しぶりでサラリーマンの酒場を見た。勿論、サラリーマン僻地の浅草には程遠い風景だ。
だだ壁中のピラは印刷されている。如何にも上野だなと思う。「ナカジマ食堂」や「ニュー王将」とは違う。料理も思い切って安い。そして最小限の工夫がされている。
なかなかいいではないか。
店の帳場は、ばあさんが預かっている。元気なばあさんで、店の若い衆の気のつかないところをフォローしている。あたしらは最初「おしぼり」がもらえなかったのだが、やがてばあさんが来ておしぼりをくれたのだ。それをさりげなくやる。
なかなかいいではないか。
赤提灯
東京都台東区上野2-10-4 池之端会館1F