筋子とご飯筋子とご飯


筋子を楽しむ

午前7時10分起床。浅草は晴れ。「筋子」である。松浦さんから贈与でいただいものだ。「筋子」でご飯を食べる。そう、年に1度の「筋子」の夕食である。当然に白いご飯が一番似合う。そう、この組み合わせこそが、嘗てあたしの食卓の王道であった。

しかし、今は糖質制限食の為に、年に1度、松浦さんからいただいた時だけの楽しみになってしまっている。当時は「筋子のコルヌコピアが欲しい」と云っていた。「韓国海苔」でこれを巻いてこれを食べるのを常にしていた。だが今は「韓国海苔」さえテーブルから消えてしまっている。なんてことだ、と思う。

脳梗塞から10年経って、あたしの周りはずいぶんと変り、あたし自身も変わったことを自覚している。脳梗塞で失われたものは多かったが、感覚的には99%は元に戻った。しかし、年を取るとは色々なことがあるもので、つまり、加齢による自然減で、20%位は何処かの感覚が鈍ってきている。

しかし、「うまい」という感覚は、以前に比べても増してきた。それも糖質制限食であり、限りある行動範囲、という制約の下での結果だ。それは楽しみでさえある。そんなあたしにでさえ、この「筋子」は別格なのである。年の瀬の忙しい最中に、ご飯を炊いてもらい「筋子」で食べる。なんという贅沢なんだろう。

筋子