ジャンボゲソ天+紅しょうが天そばジャンボゲソ天+紅しょうが天そば


一由そば

午前4時30分起床。浅草はくもり。この日は家人と共に日暮里へと行った。「なにかうまいものを食べさせて」、と家人が云う。「そうか、うまいものだな」、と(あたしは)云ってちょいと歩いた。「若しかしたら人が外にでているかもしれないな」、などと話しながら角を右に曲がった。

そこには、人は外へ出ていなかったけれども、「一由そば」があったのだ。

初めて「一由そば」を訪れたのは2014年の5月のことだった。あたしにとっての「うまいもの」とは、何をかくそう立ち喰い蕎麦なのである。そう、その時の深い焦げ茶色の汁の色は今でも鮮明に覚えている。その記憶と寸分も違うはずがない「一由そば」に入った。

ジャンボゲソ天+紅しょうが天

あたしは最初に来た時と同じ「ジャンボゲソ天+紅しょうが天そば 」を注文してみた。家人にも同じものをだ。ただ「紅しょうが天は」ハーフではなく丸々1つ。それは十二分に大きい。そして出てきた蕎麦をみて家人が喜ぶ。立ち喰い蕎麦を馬鹿にしていたけれど、今日でそれも終わりになるような喜びかただ。

この蕎麦は密度がやたらと濃い。ゲソを孕んだ謎の物体こそ「ジャンボゲソ天」である。そして紅く染まる「紅しょうが天」、それらを根底から支える蕎麦と汁。なんて素敵な絵なんだと思う。そして食べる。「手繰る」という言葉はちょっと使う気になれない程の迫力なのだ。

何処から手をつけてもかまわない。まずは蕎麦を一口。そして「紅しょうが天」、次には「ゲソ天」だ。この小さな丼の中の宇宙が廻るのである。。やがて「紅しょうが」に汁が染まって紅くなっていく。その紅黒い汁のなかで、ゲソ天がばらばらになって躍るのだ。あー、なんて素敵な蕎麦なんだろう。立ち喰い蕎麦屋ここにありだ。[お蕎麦deランチ]

一由そば

一由そば
東京都荒川区西日暮里2-26-8