ざるそばざるそば


翁そば

午前5時起床。浅草は雨。怒濤の「おでん屋」である「ひょうたんなべ」を出たあたし達は、二丁目の「翁そば」へ向かった。村上さんに「カレー南蛮玉落とし」を食べて貰おう、という魂胆からだが、散々呑んだ後に「そば」で〆るのは、盛岡での(あたしの)常道だった。

盛岡では「手打ちそば かしわや」だが、浅草では「翁そば」である。ただ閉店の時間は全然違うのだが(勿論、「翁そば」は断トツで早い)。

雨はまだ降っていたけれど、「新仲見世通り」を歩くあたし達に傘はいらない。もっとも「オレンジ通り」との交差点と「翁そば」までの最後の道のりは傘が必要だったが、あたしは傘を差さなかった。

「翁そば」の着けば引き戸を開ける。先客が一人いただけで、なぜか空いていた。あたし達はTV側に座ると。村上さんには「カレー南蛮玉落とし」を頼む。大盛にしなくてもいいのかい、と尋ねるが、大盛でなくても良いそうだ。

ざるそば

そして、あたしは「ざるそば」にした。この「ざるそば」は腹一杯なあたしの、せめてもの抵抗のようなものだ。

しかし、見よ、この「ざるそば」の姿を。

この「ざるそば」を、他のざるそばと一緒には語れまい。この特徴的な、粉々になった海苔の切れはしこそが、「翁そば」の「ざるそば」の証だ。麺は太いが、その麺が見えないほどの海苔を盛った「ざるそば」が現れる。それは、まるで冷たい「花巻そば」である。

この「ざるそば」を手繰る。村上さんは流石に若く、食欲もあると見え、「カレー南蛮玉落とし」を軽々と啜るが、あたしはギブアップしそうだった。それでも手繰る。蕎麦は太いが「浅草角萬」ほどではないじゃないか、とこの一面の「ざるそば」を漸く平らげたのだ。[浅草グルメ]  [お蕎麦deランチ]

ざるそば

翁そば
東京都台東区浅草二丁目5-3