イカ天そばイカ天そば


スーツ姿の若い女性は本当に(この店では)珍しい

午前4時起床。浅草はくもり。さすがに銀座線に乗らなくなったな、と思う。勿論コロナの影響なのだが、電車と云えば、月に1回、鐘ヶ淵の病院に行く為の東武鉄道と、たまに寄る北千住からの帰りのTX(つくばエクスプレス)位だし、先週、宇都宮まで行って来たのは、今年初めての小旅行だった。

電車に乗らないで過ごすのは快適である。なにせあたしの家から半径2km範囲が行動範囲なのだから(笑)。この日のランチは銀座線浅草駅そばの「文殊 浅草店」だった。いつも思うのだが、ここの古くさい、いや、もう古くさいを超えている店は、あたしの記憶をくすぐってやまない。ここが今日のあたしのランチの場だった。

その古くさい店に、何時も人を集めている「文殊 浅草店」だが、今日は珍しくスーツを着た若い女性がいた。このスーツ姿の若い女性は、本当に(この店では)珍しい。何せ立って食べるのだから。よほど忙しいか、この店のファンなのかは分からないが、スーツ姿の若い女性が立ったまま立ち食い蕎麦を食べる、という姿は初めて出会った。

あたしの直ぐ後ろを多くの人々がただ通り過ぎる

他のおっさん達も、一時期よりも多い数を集めていたのだが、その要因の一つは、その香りであろう。その様子は、蜜を集めに集うミツバチのごときである。流石にこの「立ち食い蕎麦」の風景だけは東京のもの(「パトリ」)だな、と思う。それは(たぶん)東京以外にもある、という声が聞こえてくるのだけれども、それはそれで当然のことだ。

ただ、あたしが云いたいのは、銀座線浅草駅の前で、蕎麦を手繰る人々と、更に多くの行き来する人々と共に生きていることを、なんの衒いもなくその店の姿が物語っていることなのだ。東京の「パトリ」と呼べるものは多いだろう。その数多い名物の一つが「立ち食い蕎麦」なのだ、と思う。

この「文殊浅草店」の凄さは、今日のランチの「イカ天そば」にも云える。長く細い蕎麦は何時もの通りの半割である。そしてそれを引き立てる汁のうまさをなんとたとえよう。しかし、「イカ天そば」にうっとりしているあたしの直ぐ後ろを、多くの人々がただ通り過ぎる。このシュールな様子を「パトリ」と云っても良いと思うのだ。[浅草グルメ] [お蕎麦deランチ]

文殊 浅草店
東京都台東区浅草一丁目1-12 浅草地下街