すじこすじこ


あたしの好きなもの

午前4時起床。浅草はくもり。正月も6日目だと云うのに、毎日ご飯を食べていた。そう「ご飯」と云えば糖質制限食をしているあたしにとっては、食べてはいけないものの筆頭なのである(笑)。が、せっかくのご飯である。ご飯になれば食べたい「おかず」を食べられると思ったのだ。それはまるで、ご飯で食べるには何が良いのか、と楽しい物思いの時間がやってきたのである(笑)。

一番に挙げたのが「納豆」である。「納豆」はうまい。だからこそ糖質制限食をしていても「納豆」自体は食べ続けているし、時々ご飯でも食べている。でもだ、わざわざ「おかず」を選べるこの時に、「納豆」は無いだろうと思ったのだ(ごめんよ「納豆」)。それで次に挙がったものは「生玉子」なのである。

「生玉子」が熱いご飯にあうのもわかりきっているじゃないか、と(自分に向かって)云うのだ。あの白身と黄身のごちゃごちゃになった混沌の渦を、ご飯にぶっかけることによって生まれる黄色い衣を纏ったご飯粒の凄さよ。あーこれもたまらないな、と思う。そして「うまいもの」は意外と身近にあるなと思う。

すじこ

けれど身近とはちょっとだけ遠いものに「すじこ」があったのだ。そうだ「すじこ」を食おう、と思った。この「すじこ」を買ってきてもらったのである(自分で買ったのではない(笑))。勿論「たらこ」も考えたが、「たらこ」には、ちょっと待て、今日は「すじこ」に譲ろう、と云ったのでる。というかあの紅い実の集合体に負けたのであるが(笑)。

やがて「すじこ」がやってきた。「すじこ」は勿論鮭の卵だ。所謂、魚卵だ。魚卵は身体に悪いと云われているがそんなことはないのである。魚卵には「多価不飽和脂肪酸」が多い。血液の流れを良くする「EPA(エイコサペンタンエン酸)」や、脳や目に良いとされる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」だ。

魚卵の中でも「すじこ」には多くのEPAやDHAを含んでいる(らしい)。だけど大事なことは、鮭は本当にその身全部がうまい、ということなのだ。ただ一つ注意しなければならないのは、塩漬けであるから、塩分は要注意であると云うことだろう。特にあたしは塩分を普通の人並みにとってはいけない(糖尿病の影響で腎臓が半分しか働かないのだ)。

塩分

それは当たり前の事だとは分かっているが、その当たり前が出来ないのである。この「すじこ」の塩漬けは独特のコクがあってうまい。作られる過程などあたしは知らないのだが、塩の大きな仕事なのだ。その仕事の結果「すじこ」を美しく横にしている姿だけを見ている。そして買う。その値段は(今年は)馬鹿みたいに高いのだが、その「すじこ」を切って食べやすくしてもらう。

それだけでこの「おいしいもの」は出来上がるのである。あとはご飯にのせて食べるだけだ。あたしはご飯の上にのせてやる。すろと少しだけ紅い汁がご飯を染める。そして食う。あーうまい、と思うこの瞬間。これがあたしの一番好きなものなのかもしれないな(でも毎日はお金の問題と健康の問題から食べられないけれど)と思うのだ。

すじこ

すじこ