法政大学クステンション・カレッジ第2回講座で使用した資料を公開したので、ご自由にお使いください。
今回はPPTの72枚目までの内容で、バイロジックの個人的実装、組織的実装の部分には触れることができなかった。
「考える技術」をわれわれの日常に落とし込めば 、次のように、キャッチコピー風にまとめることができるだろう。
観察すること
言語化すること
バルネラブルに表現すること
そして、つながること
実際には、先の三つ、観察すること、言語化すること、バルネラブルに表現することが実践であって、つながることは、その結果としてキアスム的に場がひねられ、自己が開放されたことを意味する。
今回は二クラス・ルーマンの社会システム理論のひとつの核である「ゼマンティク Semanteik」を、かなり拡大解釈――つまり勝手に解釈して使ってみた。
ゼマンティクとは「意味論」というようなものだが、今回は、時代背景によってある語彙の持つ意味も変わる、というような意味で使ってみた。
そして、その考察を信頼の概念の変化に対しておこなっている。
その時代背景――の変化が10年というキーワードである。
それは私も含めた多くの方々が普通にインターネットを使うようになって10年程経ったという程度の意味合いでしかない――例えばYahoo!Japan ありがとう10年。
しかしこの10年の間に、リアルな世界とバーチャルな世界(ウェブ)は、お互いに似たようなものとなりつつある。
それを今回はキアスム交叉図式でとらえてみた。
キアスム交叉図式は、今回のように時間軸で推移していくものを考察する際に、特に威力を発揮する。
これは、考えるツールとして、是非フツーに使っていただきたいのだ。
ただ使用上の注意点はあって、それはひねりの位置にくるモノの見極めである。
今回は(当然のように)こにインターネットを置いてみた。
もし(意図的に)政治経済学若しくは社会学的な面を強調したいのであれば、インターネットの代わりに、アメリカリズムや、リバタリアニズムを置いてもかまわないだろう――つまりたいして意味は違わない。
インターネットはある意味、ユートピア論のようなものからはじまっているのだが、それはリバタリアニズムとたいして変わらない。
イインターネットの精神文化である
自発性(ボランティア)
草の根(グラスルーツ)
開放系(オープン)
をそこにみておけば、今回の考察では十分だろう。
そして、このキアスム交叉図式から、「ウェブ化する現実」と「現実化するウェブ」の接点に生まれてきているもの――つまり環境として、オライリーのWeb2.0 memeを引用し、それぞれの要素につていの考察をおこなった。
ところで今回のPPTの82枚目からの部分は、4月27日に空知建協 IT講習会 「Powerpoint実践コース」で使ったPPTものだが、今回はこの部分には触れられなかった。
それはキアスム的に考えるということが、
観察すること
言語化すること
バルネラブルに表現すること
そして、つながること
の実践に他ならないことの事例として準備したものだ――この解説は、次回に、今回復習の意味を含めておこないたい。
解説:2006年04月28日店主戯言 【場の空気を変える】
→ http://www.momoti.com/myself/self060403.htm#060428