川海老の唐揚げ
昨晩の酒肴、川エビの唐揚げ。(居酒屋浩司)
軽く塩がふられており、レモンを絞ってつまむ。それはまさにつまむのであり、ほかのやや重めの酒肴の合間に、そして酒の合間に、軽くつまむには最高の、しかし存在は脇役としての"つまみ"である。
しかしそれは時として、ほかの酒肴を凌駕してしまう。決して主役ではないのだが、主役を食ってしまう。川エビの唐揚げとはそんな存在である。
週刊新潮の池田晶子
昨晩はよくやく非自発的なひきこもりから開放され、上京されていた向田さんとホッピー通り(煮込み通り)の居酒屋浩司へと出かけた。私たちはいつものように居酒屋浩司のこあがりに陣取り、ホッピーを飲みながら、池田晶子さんを偲ぶ会を(勝手に)開催していたわけだ。
池田晶子が週刊新潮にもっていた連載は、まるで川海老の唐揚げのようにあった。しかしそのテクストは、ほんとうの言葉であるが故に、簡単につまめるようなものではなかったし――ほんとうの言葉はマスメディアメディアには載らない――、私にとってはいつも主役であったのだね、と川海老をつまみながら思った。
居酒屋浩司浅草店 |