もりどん中のおろしトッピング
午前5時10分起床。浅草はくもり。赤平の「珍来」に行って、何時も植村真美さんがうまそうに食べている「もりどん中のおろしトッピング」を
これが「もりどん」という得体の知れないものである事、小、中、大、チョモランマと麺の量によって呼び方が変わることも初めて知ったのだ。
そしてそんなことよりも、これはあたしが完全に「なめていたもの」でのであったことを思い知ったのである。
写真が悪いのだが、この蕎麦、深い丼に入ってくるぶっかけスタイルの蕎麦だ。その姿はぬかりなく、天かすに大根おろし、そして赤い一味唐辛子は、東京で出しても十分に受け入れられるだろう。「冷やしたぬきそば」でも十分いける、なんてものじゃない。
しかしこれは「もりどん中のおろしトッピング」なのだ、と云って居座る姿の凛々しいこと、しかし、問題は蕎麦の量なのである。この蕎麦の量に、あたしゃ完全にやられたのである。
まず蕎麦を手繰る、そしてまた蕎麦を手繰る、また手繰る...。いくら手繰り進めても蕎麦が一向に減らないのである。なんなんだこれはだ。
蕎麦はうまい。しかし今やうまい、まずいの話をしているのではなく、ただドンと横たわる蕎麦を見てたのだが、あたしの腹はきつくなり、頭の中には掘留屋の肉南蛮そば冷やを思い出している。あのときのように死ぬのか、とおぼろげながらに思う。
しかしこの日は天の助け馬渕さんがいたのだ。馬渕さんに頼んで茶碗一杯だけ食べてもらう、とラストが見てえてきた。ここはぐっと蕎麦を噛み締め、噛み締めで、最後まで手繰ったのだ。
考えて見れば、店主から渡された真美さんの手紙に、「桃知さんには小でもいいかもです...」と書いてあったじゃないか。もっと素直に従えばよかったのだが、と後になって思う。後悔先に立たずである。
しかしこんなに凄い「もりどん中のおろしトッピング」を、日常的に食べている植村真美さんのいる赤平なのだ。やばいよね!、と云っておこう。そして、ありがとう、ごちそうさま、真美さん、珍来さんも忘れずにだ。
珍来
北海道赤平市大町1丁目2-23