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大阪名所図解

綱本武雄(図)
酒井一光、高岡伸一、江弘毅(文)

2014年9月26日
株式会社140B
1600円+税


大阪名所図解

午前6時30分起床。浅草はくもり。140Bから「大阪名所図解が届いた。大阪を愛して止まない人達のテクストが、大阪を愛して止まない人の絵と、一緒に一冊の本になっている。

幸せな本だよな、と思う。けれど、本を目の前にしてあたしの遣ることと云えば、まず江弘毅のテクストを読むことなのだ。それはP140とP150でやってくる。

曰く、『店とは「地元性」そのものである』、『街と溶け合う店』。あーやってくれるのだ。皆さんが思った通りのテクストがそこには並ぶ。その前後を読めば、あたしの知らないピカ一、高岡伸一氏の大阪的建築 『「どや顔」のある風景』がある。いやこの人はテクストが映える。

「斜め上」をいく言動の可笑しみ、と「どや建築」を勝手に定義している。「斜め上」、スラヴォイ・ジジェクの『斜めから見る』じゃないか、その高岡氏のテクストが笑えるのだわ。

こういう笑える謎の哲学的言説を読んでも、やぱり大阪の出版社なんだよな、140Bは、と思う。大阪の体臭が染み込んでる本を出し続ける140Bである。

140Bはいいな。大阪は東京に住んでいると益々遠い。15年も東京にいて、すっかり東京の(それも浅草の)水に慣れたあたしに、ちょっと大阪に出てこい、と語りかけているような本が目の前にある(と勝手に思っている)。こうなりゃ近いうちに行くしかねぇじゃねぇか、と浅草のおっちゃんは心に決めたのだ。